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餒
「餒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
餒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
ある者にとっては贅沢な饗宴であった。それというのも、銀子自身が人の家に奉公して、
餒じい思いをさせられたことが身にしみているので、たとい貧しいものでも、腹一杯食べ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
花が凋んだような感じで、電燈の影さえ寂しかった。それに時間がたつに従ってだんだん
餒じくもなって来た。 やがて八時も過ぎ九時にもなった。 狭いこの町に、ホテル....
「黴」より 著者:徳田秋声
がまたいろいろの考えに捉えられて、いつまでも打ち切ることが出来なかった。 気が
餒えきって来ると、笹村はそっとにげるように宿の門を出た。足は自然に家の方へ向いた....
「爛」より 著者:徳田秋声
、また掘り返されはじめた。初めて商売に出て、その男を知った時のことなどが、情味に
餒えているような浅井の耳に、また新しく響いた。 「ねえ、あなた。」お増はしみじみ....
「弟子」より 著者:中島敦
。糧道《りょうどう》が絶たれ、一同火食せざること七日に及《およ》んだ。さすがに、
餒《う》え、疲《つか》れ、病者も続出する。弟子達の困憊《こんぱい》と恐惶《きょう....
「躯」より 著者:徳田秋声
をやりましたが、火事にも逢や、女房にも死別れた。忘れもしねえ、暑い土用の最中に、
餒じい腹かかえて、神田から鉄砲洲まで急ぎの客人を載せって、やれやれと思って棍棒を....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
かず、衣物に綻が切れようじゃなし、生爪一つ剥しやしない。 支度はして来たっても
餒い思いもせず、その蒼い花の咲く草を捜さなけりゃならんほど渇く思いをするでもなし....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
が、きざみ昆布、雁もどき、鰊、焼豆府……皆、ぷんとむれ臭い。(よした、よした、大
餒えに
餒えている。この温気だと、命仕事だ。)(あなたや……私はもう我慢が出来ない....
「王成」より 著者:田中貢太郎
毎日市へ出てまいりまして、毎日幾等かの金を取って、それで粟を買って、一家十余人が
餒えず凍えずにくらしております。これにうえ越す宝がありましょうか。」 「わしは、....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
一体「不孝には三つの種類があって後嗣ぎが無いのが一番悪い」、そのうえ「若敖之鬼
餒而」これもまた人生の一大悲哀だ。だから彼もそう考えて、実際どれもこれも聖賢の教....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
。如何《いかん》となれば本人は元来|疵《きず》持つ身にして、その気|既《すで》に
餒《う》えたるが故に、大節に臨んで屈することなきを得ず。即ち人心の働きの定則とし....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ん。立つにも立たれはしないから、しばらく腰を据える覚悟をしました。が、何分にも、
餒れた黄肌鮪鬢長鮪が可恐しい。 「菎蒻。」 「こんにゃく。」 口の裡でむぐむぐ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ひとたびアメリカ人の血管中に入りてより以来、その精神は常に宗教の熱を帯び、氷雪飢
餒の間にその寒を忘れ、刻苦艱難して得たるところの結果は、米国今日の文明なり。しか....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
擁包シテ寒ニ傷《やぶ》ラルルヲ防グ 第七 窖蔵《こうぞう》ノ氷雪夏月鳥魚諸肉ノ敗
餒《はいだい》ヲ防ギ水漿《すいしょう》ヲ冷ヤシテ収儲《しゅうちょ》※《とき》ヲ延....
「世間師」より 著者:小栗風葉
団に裹まっている者があった。それは昨夜遅く帰った白い兵児帯の男だ。私は昨日からの
餒じさが、目を覚ますとともに堪えがたく感じてきて、起き上る力もない。そっと仰向き....