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饑渇
「饑渇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
饑渇の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
術のないのは驢馬《ろば》に草のないのも同然である。六十何銭かは堀川保吉に精神的|
饑渇《きかつ》の苦痛を与えた。けれども粟野|廉太郎《れんたろう》には何の痛痒《つ....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
、誰も知らぬ。暖かそうな小屋に近づけば、其処に飼われて居る犬が、これも同じように
饑渇に困められては居ながら、その家の飼犬だというので高慢らしく追い払う。
饑渇に迫....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
り奪還して之を己を愛する者に与え給うとの事である、絶大の慰安を伝うる言辞である。
饑渇く如く義を慕う者は福なり、其故如何? 其人の
饑渇は充分に癒さるべければ也との....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
この犬を、心をこめて介抱してやりました。しかし、パトラッシュの倒れたのは、暑さと
饑渇とつかれで、一時目がくらんだためですから、日かげへしずかにねかしておくうちに....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
知られていた山名が見当違いの山に与えられた例とも見る可きものであろう。 毛勝は
饑渇の宛字であるとすれば、
饑渇をケカツと発音することは、独り越中地方にのみ限られ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
感じた。こういう雨が何度も何度も来た後でなければ、私達は譬えようの無い烈しい春の
饑渇を癒すことが出来ない。 空は煙か雨かと思うほどで、傘さして通る人や、濡れて....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
中の返事、胸の中には勝負のことが往ったり来たりするばかり。名誉心の為に駆られて、
饑渇《うえかわ》いて、唯もうそわそわとしておりました。 「これさ。たべろよ」 ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
を卒業しておけばまず食うに困るような事はないが、今から素手で世の中に飛出す以上は
饑渇と戦う覚悟がなけりゃならぬ、なお鴎外、露伴らに紹介せよとの事だが、自分はまだ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
れまじとは勉《つと》むるなり。故にその愛は良人に非ずして、我が身にあり、我が身の
饑渇《きかつ》を恐るるにあり、浅ましいかな彼らの愛や、男子の狼藉《ろうぜき》に遭....