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首桶
「首桶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
首桶の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
みまさずみ》に命じ、直之の首を実検しようとした。正純は次ぎの間《ま》に退いて静に
首桶《くびおけ》の蓋《ふた》をとり、直之の首を内見した。それから蓋の上に卍《まん....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
百五十三名が前後五日にわたって敦賀郡松原村の刑場で斬られた。耕雲斎ら四人の首級は
首桶に納められ、塩詰めとされたが、その他のものは三|間四方の五つの土穴の中へ投げ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
とのようになった。陣笠をかぶった因州の家中の付き添いで、野尻宿の方から来た一つの
首桶がそこへ着いた。木曾路行軍の途中、東山道軍の軍規を犯した同藩の侍が野尻宿で打....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
り申す儀ではなけれども、奥方様、この品ばかりはお可厭ではござるまい。 包を開く、
首桶。中より、色白き男の生首を出し、もとどりを掴んで、ずうんと据う。 や、不重宝....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
た。まさしく先刻の婆らしい。それが、黒い袖の桁短かに、皺の想わるる手をぶらりと、
首桶か、骨瓶か、風呂敷包を一包提げていた。 境が、上から伸懸るようにして差覗く....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ッたのをよく覚えている。障子をあけたのを見るとそれは甲冑の影であったのだ。熊谷が
首桶を携えて出ようとするおり、奥から義経の声がして、やがて出て来る。すると藤ノ方....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
仕種などをひどく細かく見せて、団十郎式に刀をぬきました。ここでも首は見せません。
首桶を少し擡げるだけでしたが、観客はみな恐れるように眼を伏せていました。 松王....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。 「よし」 そこまでを見て、工藤高景、諏訪三郎以下、その日の役人は、一個の
首桶を擁して、みな立ち帰った。黄昏れかかる仮粧坂を、一般人もぞろぞろなだれ降りて....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。なぜなら、まもなく、たくさんな僧侶がここに立って、読経をあげ、首はていねいに
首桶に処理して、近くの真光寺の内へ捧げて行ってしまったからだ。 尊氏の命で、僧....