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首肯く
「首肯く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
首肯くの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薄明」より 著者:太宰治
偉いね。よくここまで、あんよが出来たね。お家は、焼けちゃったよ。」 「うん、」と
首肯く。 「医者も焼けちゃったろうし、こいつの眼には困ったものだね。」 と私は....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
ているのに、この竹さんだけは、塾生たちが何を言いかけても、少し微笑んであいまいに
首肯くだけで、シャッシャとあざやかな手つきで摩擦をやってしまっている。しかも摩擦....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
恐ろしい冒険にでも僕は必ず成功する、僕は天才だ等とおっしゃって、あたしが微笑んで
首肯くと、いやお前は僕を馬鹿にしている、お前は僕を法螺吹きだと思っているのに違い....
「安重根」より 著者:谷譲次
、あの安重根という人は今に何かでっかいことをやっつけるぞ――。 青年らはしきりに
首肯く。 同志一 (ストウブの前から青年Aへ言っている)それは君、噂だけだよ。実....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
にしか思っていないようである。中には新聞の記事なぞを読んで「ハハア成る程」なぞと
首肯く者が居るかと思うと、すぐにあとから「いかにもねえ。こうしておけば狂人も昂奮....
「無系統虎列剌」より 著者:夢野久作
イツには弱ったね。大酒を飲む人や、胃の悪い人の中にはここで……ハハア……そうかと
首肯く人が居るかも知れないが、天性の下戸で、頗る上等の胃袋を持っている吾輩には、....
「ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
短い外套を着た五十すぎくらいの丸顔の男のひとが、少しも笑わずに私に向ってちょっと
首肯くように会釈しました。 女のほうは四十前後の痩せて小さい、身なりのきちんと....
「惜別」より 著者:太宰治
いう言葉を覚えてしまって、捕虜たちに向って、パピロスほしいか、と呼びかけて捕虜が
首肯くとよろこび勇んで煙草屋に駈けつけ、煙草を買って与えて、得意がっていたもので....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
傍を憚るように、低声で強いて笑うようにして言った。 私は「うむ!」と、唯一口、
首肯くのやら、頭振を掉るのやら自分でも分らないように言った。 それから汽車に乗....
「魔都」より 著者:久生十蘭
り、あの危険な条約書が無事であったという意を伝えたのである。外務大臣は意味深長に
首肯く。よっぽど嬉しかったのであろう、なろう事なら総監を自分の胸にひきよせたいと....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
らしい。お前もその積りで……。(喧嘩をするなと眼で知らせる。) 柳 (渋々ながら
首肯く。)まったくこんな人を相手にしているのは暇潰しだ。まあ、仕方がないから、私....
「影」より 著者:岡本綺堂
が喰べなければ、お父さんが皆んな喰べてしまうぞ。いいか。 (太吉は無言で
首肯く。重兵衛は鮓を一つ取って旨そうに食い、茶をのむ。旅人は巻烟草を出して吸いは....