馘首[語句情報] »
馘首
「馘首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馘首の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
言われぬ情《なさけ》なさを感じた。万一この脚の見つかった日には会社も必ず半三郎を
馘首《かくしゅ》してしまうのに違いない。同僚《どうりょう》も今後の交際は御免《ご....
「骨を削りつつ歩む」より 著者:佐左木俊郎
で出版されると思う。――その揚句《あげく》にはまた、私は複雑した関係から市役所を
馘首《くび》になり、妻と二人で浮草のように漂泊しなければならない身となった。そし....
「機関車」より 著者:佐左木俊郎
なものを握っていた。それには「吉田機関手様」と書かれていた。 「吉田機関手って、
馘首《くび》になった吉田のことかな?」 「だって、他にいないですね。」 そこへ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
鶴子の姿を一眼見た途端、いきなりふくれあがったのだ。 (経営者も糞もあるもんか?
馘首にするならしやがれ。ここを追い出されたっておれは水商売仲間ではつぶしがきく男....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
伊藤や須山の影響下のメンバー、新しい細胞に各職場を分担させて一斉《いっせい》に「
馘首《かくしゅ》反対」の職場の集会を持たせることだった。そしてそれを成功させるた....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
なかった。兄は勝見に暇を出したくはあったが、例のことを喋られるのを恐れて、絶対に
馘首が出来ない。それでますます、勝見が悩しき存在となって来たのでありました。 ....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
私の下を働かせて、いただいてるのです。というのは、下町の薬種屋で働いていたのが、
馘首になりましてナ、栗原のところへ、転りこんできたのです」 「ふウん、お前さん、....
「わが町」より 著者:織田作之助
もろともひっくりかえし、おまけに謝ろうとしないのがけしからぬと、その場でホテルを
馘首になった。 その夜、大阪へ帰った。六年振りの河童路地のわが家へのそっとはい....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
は、不平と非難の声が高まった。 「ストライキ! ストライキ!」 それから工場を
馘首され、ジミーは、郊外のある農夫の下働きに雇われた。 そのうちに、ロシアには....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
は、こういう数学応用の手品があるばかりではなく、他に行政的な手品もあるのだ。一旦
馘首して全部を改めて採用するというやり方が、仲々上手な減給法であるばかりではなく....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
の金品を胡魔化す、仕入部と工場に忌わしい連絡が結ばれる、とうとう陥る所までおちて
馘首され、昨日の店員も今日からは他人となり縁が絶えてしまう。こうして将来ある青年....
「入営する青年たちは何をなすべきか」より 著者:黒島伝治
ひまがない。工場や、農村に残っている同志や親爺には、工場主の賃銀の値下げがある。
馘首がある。地主の小作料の引上げや、立入禁止、又も差押えがある。労働者は、働いて....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
るだけのことだが、形式上は費消だ)しているのを発見すると、もうそれだけで、十分|
馘首の口実にも保証金没収の理由にもなるのだった。 こうして、追っ払われた支店長....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ているというは天下の国士を任ずる沼南にあるまじき不信であるというので、葉書一枚で
馘首された社員は皆カンカンになって結束して沼南に迫った。その結果が沼南のイツモ逆....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
にかかっているようであった。 市参事会員を訪問していたものも帰って来た。そして
馘首せられた課長を中心に大評定を始めた。賀川市長排斥はもう決定的なこととなった。....