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香典
「香典〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
香典の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女類」より 著者:太宰治
、いや、猿類、女類、男類の順か。ああ、痛え。乱暴はいかん。猿類、女類、男類、か。
香典《こうでん》千円ここへ置いて行くぜ。」....
「放浪」より 著者:織田作之助
くの牛滝山へ行った。滝の前の茶店で大福餅をたべさせながらおみよ叔母は、叔母さんの
香典はどこの誰よりも一番|沢山《ぎょうさん》やさかいお前達は肩身が広いと聴かせ、....
「あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
になっていたのに老先生は何でこんなことをなさるのであろう。鶴原未亡人が差し出てお
香典でも呉れたのか知らんと思いながら見ていると、書生さんもその戒名を手に取って青....
「猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
わずかばかりですが、工場のほうからの遺族|慰藉料《いしゃりょう》というわけで、お
香典なのですが、まあ、これを何よりの証拠と思っていただきたいんです」 監督はそ....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
めて経営している会社の株のことを、電報がはいるとすぐに気にするだろう。遺族には、
香典が二十円ずつぐらいは行くであろう。そして、船主は、二十人の人間のことよりも、....
「家」より 著者:島崎藤村
多く出した方が可いぞ……俊、もっと葉書を出すところはないか。郷里の方からもウント
香典を寄して貰わんけりゃ成らん」 死んだ娘の棺を側に置いて、皆な笑った。 暮....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
端から研究材料にして切り散らしたあげく、大学附属の火葬場で焼いて骨にして、五円の
香典を添えて遺族に引渡す。又、引取人のないものは共同墓地へ埋めて、年に一度の供養....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
行った小僧さんがある。開けて見ると五十五銭這入っていて「護国の偉人東郷元帥」にお
香典として奉って下さいという手紙がつけてあったということだ。
香典は身分と親縁関係....
「春」より 著者:宮本百合子
、朝少し眩しい。私は沢山ぐっすり眠りたい。そこで、工面をし、机の引出しから友達の
香典がえしに貰った黒縮緬の袱紗を出した。それを二つにたたみ、鼻の上まで額からかぶ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
んが私の盲腸がわるいのでお許し出ませんでした。十一日に隆に託してお見舞を十円。御
香典には貴方のお名前で二十円。 私が来ていたうちに全く急にこういうことになった....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かえって来たら黒枠ハガキでね。芝の老夫人逝去されました。これから弔問です。花とお
香典をもって行きます。御老人さぞ落胆されていることでしょう。あなたのお髯の生えか....
「敬語論」より 著者:坂口安吾
のは好き好きで論外である。 オセイボだ年始だと無意味なものを取ったり贈ったり、
香典だの
香典がえしだのと、すべて人間の真情に即さゞる形式が生活の規矩をなしており....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
まあどうやら無事にすんだというわけだね。それでは今夜はひとつゆっくりと、おやじの
香典で慰労会をさしてもらおうじゃないか」 連日の汗を旅館の温泉に流して、夕暮れ....