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「馬印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬印の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
長篠合戦」より 著者:菊池寛
られて仕舞った。畔を渡り泥田を渉って三の柵に逃げ込んだ。一益の金の三団子をつけた馬印を、危く奪われると云う騒ぎである。しかし修理、隼人佐、左近等も下馬して奮戦し....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
井左吉進み出て、盛政の陣立直らぬうちに破らん事を秀吉に乞うた。秀吉笑って許さず、馬印を盛政勢の背後の山に立置く様に命じて置いて、菓子を喰い茶を飲んで悠々たるもの....
島原の乱」より 著者:菊池寛
を脱し得たが、従士は次々に斃れるばかりである。その処を赤い瓢箪の上に小熊を附けた馬印を押し立て、兵五百に先頭して、馳け抜ける若武者がある。重昌の子|主水佐重矩で....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
募集し、秀頼自ら巡視した。「茜の吹貫二十本、金の切先の旗十本、千本|鑓、瓢箪の御馬印、太閤様御旗本の行列の如く……」と、『大阪御陣覚書』に出ている。 だが、大....
真田幸村」より 著者:菊池寛
重ねてぐずぐずしている間に、幸村は軍を勝曼院の前から石之華表の西迄三隊に備え、旗馬印を竜粧に押立てていた。 殺気天を衝き、黒雲の巻上るが如し、という概があった....
小田原陣」より 著者:菊池寛
びないけれど、北条氏の向背が一度決すれば、他は問題ではない。箱根山を千成|瓢箪の馬印が越せば、総て解決されるのである。 聚楽第行幸で、天下の群雄を膝下に叩頭さ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
あるいは黒の竪烏帽子、陣羽織のいでたちである。高く掲げた紅白の旗、隊伍を区別する馬印などは、馬上の騎士が携えた抜き身の鎗に映り合って、その無数の群立と集合との感....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
根勢、白と黒とを半分ずつ染め分けにしたは青山勢、その他、あの同勢が押し立てて来た馬印から、「八幡大菩薩」と大書した吹き流しまで――数えて来ると、それらの旗や吹き....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
群書類従』にあるような分限帳の類を除く。そうすると跡に、時代の古いものでは、「御馬印揃」、「御紋尽」、「御屋敷附」の類が残って、それがやや形を整えた「江戸鑑」と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
松野主馬はこう言って、主人の馬前から向き直って、ただいま大谷吉隆が過ぎて行った馬印の後ろかげを合掌して伏し拝んでいる。一軍粛として声がない。夕陽が松原のあなた....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
《いんがおうほう》。アコ長のほうは、先刻ご承知の千成瓢箪《せんなりびょうたん》の馬印《うまじるし》のような奇妙な顔。とど助の方は、身長抜群《みのたけばつぐん》に....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
守、金丸伊賀守ら二万余騎である。両旗の軍勢合わせて五万六千は、大旗小旗や、家々の馬印、思い思いの甲冑を、朝陽に輝かして押し寄せた。 同年十月八日から厩橋城を打....