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馬子
「馬子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
っているらしく耕地測量の一行らしい器械を携《たずさ》えた三四名と、表に馬を繋いだ
馬子《まご》とが、消し残しの朝の電燈の下で高笑いを混えながら食事をしている。 ....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
往来の人馬が、ことごとく難儀するところじゃが、この男はこの川上柿坂郷に住んでいる
馬子《まご》じゃが、今朝鎖渡しの中途で、馬が狂うたため、五丈に近いところを真っ逆....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
で、婦人《おんな》はつと走って入る。空の月のうらを行くと思うあたり遥《はるか》に
馬子歌《まごうた》が聞えたて。」
二十
「さて、それからご飯の時じゃ、膳《ぜ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
みると、今しきりに呶鳴っているのは、三十五六の赭ら顔の大男で、その風俗はここらの
馬子と一と目で知られた。その相手になって何か云い争っているのは、やはりおなじ年頃....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
神田に住んでいましたが、十四五年前から山の手の場末へ引っ込んでしまいまして……。
馬子唄で幕を明けるようになっちゃあ、江戸っ子も型なしです。」と、老人はまた笑った....
「たにしの出世」より 著者:楠山正雄
に通りぬけました。そうして、ひろい田んぼ道に出ると、よくすんだ、うつくしい声で、
馬子うたをうたい出すので、馬もいい気持ちそうに、シャン、シャン、鈴を鳴らしながら....
「山姥の話」より 著者:楠山正雄
山姥と
馬子 一 冬の寒い日でした。
馬子の馬吉が、町から大根をたくさん馬....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
込んで、馳走にあずかりに来たものもあった。僧侶の隣りに浪人者がいたり、樵夫の横に
馬子がいたりした。 「お武家様おすごしなさりませ。妾、お酌いたしましょう」不意に....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
鞋を解かざるを得なかった。 駕籠を追って 馬の鈴音、鳥の声、竹に雀はの
馬子の唄に、ハッと驚いて眼を覚すと紋太郎は急いで刎ね起きた。雨戸の隙から明けの微....
「北穂天狗の思い出」より 著者:上村松園
とるようにいろいろの荷物をつけている、自分ながら一寸ほほえましい古雅な図である。
馬子もちょっと風変りな男であった。馬はゆっくり落葉松や白樺の林の間をぬって進む。....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
、風呂を立てた。睡れずに過した朝は、暗いうちから湿った薪を炉に燻べて、往来を通る
馬子の田舎唄に聴惚れた。そして周囲のもの珍しさから、午後は耕太郎を伴れて散歩した....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
役者として世に知らる。 ○三月、中村座の二番目に新作「偽織大和錦」を初演。仲蔵の
馬子丑蔵が田舎訛りのベエベエ詞のゆすり場、大好評。 ○片岡我童、片岡我当の兄弟、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ん。時によっては勇猛鬼神を怖れしめるお働きもなさったのであります。 それは蘇我
馬子とともに、物部守屋を誅伐された時でありました。御齢は十四歳でいられました。束....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の追分です。節廻しが凡て艪拍子に連れて動いて、緩く、哀調になっています。信濃のは
馬子唄ですから、上り下りの山路の勾配から、轡の音、馬の歩調に合せて出来上ったもの....
「料理する心」より 著者:北大路魯山人
ものが要るのであります。ここではまあ、食器をお料理のきものと言っておきましょう。
馬子にも衣裳と言いますが、お料理も衣裳次第で、美味くも不味くもなります。お料理の....