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「馬面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
如是我聞」より 著者:太宰治
にかかったことなど一大事の如く書いて、それが作家の本道だと信じて疑わないおまえの馬面がみっともない。 強いということ、自信のあるということ、それは何も作家たる....
光の中に」より 著者:金史良
で半兵衛に会ったのは。その時彼はにやにやしながら私の方へ寄りかかって来た。皺びた馬面に大きな目がでれりとして薄気味悪い男だった。だがおや朝鮮人だなと私は思った。....
碧眼托鉢」より 著者:太宰治
「私は、すべて、ものごとを知っています。」と言いたげな、叡智の誇りに満ち満ちた馬面に、私は話しかける。「そうして、君は、何をしたのです。」 作家は小....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
り、酒を飲む気もしなくなった。浅田、お前はひどい男だ。つねから、お前の悧巧ぶった馬面が癪にさわっていたのだが、これほど、ふざけた奴とは知らなかった。程度があるぞ....
怪異考」より 著者:寺田寅彦
前足をあげて被害の馬の口に当ててあと足を耳からたてがみにかけて踏みつける、つまり馬面にひしと組みつくのである」。この現象は短時間で消え馬はたおれるというのである....
一九二五年より一九二七年一月まで」より 著者:宮本百合子
、子供のように戸障子をゆする。 十月の百花園で見たもの 清浦の馬面、ノビリティーナシ 写真 │ 黄蜀葵を一輪とって手に持つ。 秋草....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
おばけが出たということ。木刀を取り直して打とうとした途端、その鼠の顔が、不意に、馬面《うまづら》のように大きくなったということ。 そこで、イヤな思いをして、翌....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
アこれからは長谷川と高山の競争だ、お梅さんは何方の物になるだろうと、大声で喋舌る馬面の若い連中も出て来た。 ところで大津法学士は何でも至急に結婚して帰京の途中....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
」 「でございましょうね、旦那様。」 「高いんじゃあないな、あれは希代だ。一体|馬面で顔も胴位あろう、白い髯が針を刻んでなすりつけたように生えている、頤といった....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ウム刀も! やッ! 娘もいるなッ!」 と! 言葉といっしょに。 独眼刀痕の馬面が、ヌッ! と草を分けて―― 水や空 「やいッ!」 乾雲を失った左膳、....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
りながら、アオよと泣いて熱演しているのに、馬だけがホンモノで全然ヌッとホンモノの馬面を下げているだけでは、どうにもウツリが悪いね。 宝塚の馬は項羽と劉邦がはじ....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
うこともだんだん分った。酒癖が悪くて喚き出すと手に負えなかった。三白の眼をすえ「馬面」、とか「シャグマ」とかいって、ぎんを呼びたてるのだった。小間物の行商もとか....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ながら、その十字架の前にしゃがんでいる男の顔を見ると、ナントそれは、死んだはずの馬面のコルシカ人、しきりに自分の墓の草むしりをしている様子。これは! と驚いた二....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
道理なりと言いたいくらいのものだろう。 さてその日本太郎が松葉とかいう色の黒い馬面の女とつるみ高座でそののち睦の寄席へ現れ出したと思ったら間もなく消えて、震災....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
乍らも誇をひそめて、眼を細くし乍ら、長いことにおいては又久作さんと負けず劣らずの馬面で共に有名な、チョビ髭の尖った頤との一対の対面は世にも見事であったろう。その....