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「馳駆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馳駆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
島原の乱」より 著者:菊池寛
の上に銃兵多いから、之を討てば味方に死傷が多かろう。有馬、立花の陣は地形狭くして馳駆するに利なく、結局特に鍋島、寺沢、黒田の三陣を襲わん。出づる時には刀槍の兵を....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
ざかりの入道雲を背景に、白い棒のような剣がうごいて、人は、草をふみしだいて縦横に馳駆する。 大次郎も、かなり斬りつけられているに相違ない。着物はところどころ裂....
石狩川」より 著者:本庄陸男
の血が底鳴りをうつのであった。時に年齢三十五歳。世代の荒浪と擾乱《じょうらん》の馳駆《ちく》に揉まれて、十世のあいだ安泰につづいていたこの目立たない小藩主の血に....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
ある。 付言 以上は自分の自己流の俳句観である。現代俳壇の乱闘場裏に馳駆していられるように見える闘士のかたがたが俳句の精神をいかなるものと考えていら....
連環記」より 著者:幸田露伴
平の世の公務は清閑であり、何一ツ心に任せぬことも無く、好きな狩猟でもして、山野を馳駆して快い汗をかくか、天潤いて雨静かな日は明窓|浄几香炉詩巻、吟詠翰墨の遊びを....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よ図に乗って、 「山東洋、ヨク三承気ヲ運用ス。之《これ》ヲ傷寒論ニ対検スルニ、馳駆《ちく》範ニ差《たが》ハズ。真ニ二千年来ノ一人――」 二千年来ノ一人……....
丹下左膳」より 著者:林不忘
をかっ裂いて、倒れるところを蹴散らし、踏み越え、左膳の乾雲丸、一気に鉄斎を望んで馳駆《ちく》してくる。 ダッ……とさがった鉄斎、払いは払ったが、相手は丹下左膳....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
と行動とのあとはわれわれに幾度かツァラツストラを連想せしめる。彼は雷電のごとくに馳駆し、風雨のごとくに敵を吹きまくり、あるいは瀑布のごとくはげしく衝撃するかと思....
ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
さげて立ち現われると我々はそれだけでまず圧倒されてしまう。 技巧と機知を縦横に馳駆する絢爛たる知的遊戯、私はこれをルネ・クレールの本質と考える。 ....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
つくさなければならないのだろうか。その不安だ。お高は、蒼い空気の中で、土を蹴って馳駆《ちく》し狂闘している人々を、なさけない眼で見はじめた。 すると、一時にあ....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
らず、『万葉』を学んで『万葉』を脱し、鎖事《さじ》俗事を捕え来《きた》りて縦横に馳駆《ちく》するところ、かえって高雅|蒼老《そうろう》些《さ》の俗気を帯びず。こ....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
端を開かば、その底止するところ何の辺に在るべき。これ勝伯が一|身を以て万死の途に馳駆し、その危局を拾収し、維新の大業を完成せしむるに余力を剰さざりし所以にあらず....
三国志」より 著者:吉川英治
万朶の雲を蹴ちらす日輪のようだった。 彼の行くところ八州の勇猛も顔色なく、彼が馳駆するところ八鎮の太守も駒をめぐらして逃げまどった。 袁紹も、策を失って、「....
三国志」より 著者:吉川英治
。 帝は、一時のお歓びばかりでなく、いとど頼母しく思し召されて、 「鞍馬長途の馳駆、なんで服装を問おう。今日、朕が危急に馳せ参った労と忠節に対しては、他日、必....
三国志」より 著者:吉川英治
馬で「五|花馬」という名があった。多くの家臣をすてて、彼方此方、平地を飛ぶように馳駆していた。 彼の弓は、一頭の鹿を見事に射とめた。 「射たぞ、誰か、獲物を拾....