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馴れ
「馴れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馴れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
ま》のような黒い眼で、じっと、主人の顔を見つめたりすると、世故《せこ》のつらさに
馴れている李小二でも、さすがに時々は涙が出る。が、それは、文字通り時々で、どちら....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
な挨拶《あいさつ》を交換すると、呆気《あっけ》にとられた彼のまわりへ、馴《な》れ
馴れしく手《て》ん手《で》に席を占めた。頸珠《くびだま》の色、耳環《みみわ》の光....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「知りませんよ。」 とつっと入る。 「旦も、ゆすり方は素人じゃねえ。なかなか
馴れてら、」 もう飲みかけたようなもの言いで、腰障子から首を突込み、 「今度八....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の飽くことなき掠奪の手を拡げる烈しさは、習慣的に、なまやさしいものとのみ愛を考え
馴れている人の想像し得るところではない。本能という言葉が誤解をまねき易い属性によ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
、はりものしたり、松葉で乾物をあぶりもして、寂しく今日を送る習い。 浪の音には
馴れた身も、鶏の音に驚きて、児と添臥の夢を破り、門引きあけて隈なき月に虫の音の集....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
屈めつつ、圧うるがごとく掌を挙げて制す)何とも相済まぬ儀じゃ。海の住居の難有さに
馴れて、蔭日向、雲の往来に、潮の色の変ると同様。如意自在心のまま、たちどころに身....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
套の、痩せた身体にちと広過ぎるを緩く着て、焦茶色の中折帽、真新しいはさて可いが、
馴れない天窓に山を立てて、鍔をしっくりと耳へ被さるばかり深く嵌めた、あまつさえ、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
りましょう。時間がありますからそこは気丈夫です。」 しかるところ、暗がりに目が
馴れたのか、空は星の上に星が重って、底なく晴れている――どこの峰にも銀の覆輪はか....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
本を買込むので、床板を張出して、貸本のほかに、その商をはじめたのはいいとして、手
馴れぬ事の悲しさは、花客のほかに、掻払い抜取りの外道があるのに心づかない。毎日の....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
もあり、中には拳銃で打ち殺そうなどという人もあった。その内に段々夜吠える声に聞き
馴れて、しまいには夜が明けると犬のことを思い出して「クサカは何処に居るかしらん」....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
のようになっていた。それらの人たちの心には一様に恐ろしい影が飛びかかって来て、見
馴れた古い世界に一つの新しい現象をあたえた。 なおラザルスと話してみたいと思っ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
車場から、直ぐに、右|内宮道とある方へ入って来たんだ。」 「それでは、当伊勢はお
馴れ遊ばしたもので、この辺には御親類でもおありなさりますという。――」と、婆々は....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、どうじゃろうな。」 寄居虫で釣る小鰒ほどには、こんな伯父さんに馴染のない、人
馴れぬ里の児は、目を光らすのみ、返事はしないが、年紀上なのが、艪の手を止めつつ、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
れるのである。これは人智の未発達から発生する、必然的帰結であるから致方がない。耳
馴れたものほど俗受けがする。之に反して耳
馴れぬもの、眼
馴れぬものは頭から疑われる....
「活人形」より 著者:泉鏡花
事が発覚っちまう。宜しい銀平にお任せなさい。のう、銀平や、お前はそういうことには
馴れているから、取急いで探しておあげ申しな。と命くれば得三も、探偵に窺わるること....