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馴染
「馴染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馴染の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「親ごころ」より 著者:秋田滋
の教会の入口のところに「浄めのお水」をかける老人がいた。二人はやがてこの老人と顔
馴染になってしまった。聞けば、この老人も悲しい悲しい身の上ばなしを持っていた。あ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》と話している言葉にも自《おのずか》ら明かであった。彼はその仲間が帰ってから、顔
馴染《かおなじみ》の内弟子に向って、「恩地殿のような武芸者も、病には勝てぬと見え....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
たこうもいうんだ。何でも相手の浪花節語りは、始末に終えない乱暴者だそうです。前に
馴染《なじみ》だった鳥屋の女中に、男か何か出来た時には、その女中と立ち廻りの喧嘩....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
――そんなことは何でも差支えない。しかし毎日汽車になど乗れば、一ダズンくらいの顔
馴染《かおなじ》みはたちまちの内に出来てしまう。お嬢さんもその中《うち》の一人で....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
こ》との間に、僕と妻との間よりもっと純粋な愛情があったら、僕は潔《いさぎよ》く幼
馴染《おさななじみ》の彼等のために犠牲《ぎせい》になってやる考だった。そうしなけ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
い事情が起ったとしても、それも知らさずに別れるには、彼等二人の間柄は、余りに深い
馴染《なじ》みだった。では男の身の上に、不慮の大変でも襲《おそ》って来たのか、―....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
く久しぶりで御目にかかったのが、嬉しかったからでございます。そう申せば姫君も、幼
馴染のあなた様が御《ご》無事でいらっしゃると御聞きになったら、どんなにか御喜びに....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
かないように、そっとポケットへ手巾《ハンカチ》をおさめた。それは彼が出征する時、
馴染《なじみ》の芸者に貰って来た、縁《ふち》に繍《ぬい》のある手巾《ハンカチ》だ....
「春」より 著者:芥川竜之介
ると、何か急に妹との間に谷あいの出来たことを感ずるのだった。
篤介は広子にも顔
馴染《かおなじ》みのあるある洋画研究所の生徒だった。処女《しょじょ》時代の彼女は....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
《はたち》までいる間に店の勘定をごまかして、遊びに行った事が度々あるが、その頃、
馴染みになった女に、心中をしてくれと云われて弱った覚《おぼえ》もある。とうとう一....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
うに御存知でしょう。
玉造の小町 このかたは小野の小町です。やっぱりあなたのお
馴染《なじみ》でしょう。
使 何、玉造の小町に小野の小町! あなたがたが、――....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
本堂はバラックという外は仕かたはない。僕等は読経の声を聞きながら、やはり僕には昔
馴染みの鼠小僧の墓を見物に行った。墓の前には今日でも乞食が三、四人集まっていた。....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
、黙ってカッフェの入口にある帳場《ちょうば》の前へ勘定に行った。帳場には自分も顔
馴染《かおなじ》みの、髪を綺麗に分けた給仕頭《きゅうじがしら》が、退屈そうに控え....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ていた。その中の一人は見覚えのある同じ学校の主計官《しゅけいかん》だった。武官に
馴染《なじ》みの薄い彼はこの人の名前を知らなかった。いや、名前ばかりではない。少....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、紙入の中には小遣いの紙幣《しへい》まで入れてくれましたから、ちょうど東両国に幼
馴染《おさななじみ》があるのを幸、その泰さんと云うのを引張り出して、久しぶりに近....