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「馴致〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馴致の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
片信」より 著者:有島武郎
階級に特異な動向が働いているのを認め、そしてその動向は永年にわたる生活と習慣とが馴致《じゅんち》したもので、両階級の間には、生活様式の上にも、それから醸《かも》....
想片」より 著者:有島武郎
。 ところが資本主義の経済生活は、漸次に種子をその土壌から切り放すような傾向を馴致《じゅんち》した。マルクスがその「宣言」にいっているように、従来現存していた....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の状態におかれている。かかる僻事はあるべからざることだ。 どれ程長い時間の間に馴致されたことであるか分らない。然しながら人間の生活途上に於て女性は男性の奴隷と....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
を漕ぎ近づけて、材木屋の貝原が、大声を挙げた。飛騨訛りがそう不自然でなく東京弁に馴致された言葉つきである。 「お手本をも一度みんなに見せといて、それからやらせま....
河明り」より 著者:岡本かの子
迂曲の道を辿りながら、しかもその間に頼りない細流を引取り育み、強力な流れはそれを馴致し、より強力で偉大な川には潔く没我合鞣して、南の海に入る初志を遂げる。 こ....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
ごろ、すれたというのか痲痺してしまって平気になった。僕はそれに気がついて、人間の馴致性というのか、変通性というのか、自身のたより無さに呆れてしまった。最初のあの....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
暴戻専恣の行動をたくましくし、一般国民をしていいたいこともいえぬような社会情勢を馴致し、社会を陰鬱ならしめていることは、社会不安の重大原因をなすもので、かくては....
話の種」より 著者:寺田寅彦
四十四 象を馴らす事 アフリカのコンゴーでは象の馴致を盛んにやる。近頃同地へ視察に行った人の通信によれば、目下馴らしている象が二....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
長や、生徒監の肝煎りで出来たもので、今から考えると勢力のある運動家を通して生徒を馴致しようとする一種のポリシイをも含んだものであったらしい。発会式の時運動家の連....
学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
童を紹介し善良の文学に対する趣味を獲得せしめ、最も読み甲斐あるものを読むの習癖を馴致するよう児童を補導し自学自修の国民を養成するに在りとし学校の作業上並に生徒将....
米国巡回文庫起源及び発達」より 著者:佐野友三郎
することを得しめ、単に、この種の図書に対する興味を喚起するのみならず、その興味の馴致せらるるまで、読書の範囲を制限するの便利あり。…… 巡回文庫は日曜、夏期、冬....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
く生きる、彼の後に。芸術家にして真に命を有するもの、その精神は高らかに能く万象を馴致し、単純にして且つ賢きこと童子の如きもの、果して有るを得るか。 アントオニオ....
簡潔の美」より 著者:上村松園
物そのものを活かして、ちゃんと要領を得させています。 ここにも至れり尽くされた馴致と洗練とがあらわれていると思います。 能楽は大まかですが、またこれほど微細....
学生の技能と勤労大衆」より 著者:戸坂潤
るものの本分(?)を踏みはずしたものであったに相違ない、「学生」と云うこの社会の馴致されたカテゴリーからいって、今日の学生生活は大して歪曲はされていない。学生と....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
したのである。 フランス革命に依って散兵――縦隊戦術となると、この隊形は傭兵に馴致せられた横隊戦術の矛盾を一擲して強靭性を増し、側面に対する感度を緩和した。会....