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駅頭
「駅頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駅頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
余計ひどくなっていたのだ。彼はただ新宿に映画を見た時、眼つきが怪しいとの理由で、
駅頭に張っていた特高に掴まった。ポケットに築地の切符の切端しが残っていたので、豚....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
目懸けて、飛び出して行った。 事態は、市民の思っている以上に切迫していた。品川
駅頭を出発して東海道を下っていった出征兵員一行の消息は、いつの間にか、全く不明に....
「蠅男」より 著者:海野十三
ある。 それはその年も押しつまって、きょう一日の年の暮だというその日の朝、大阪
駅頭に珍しく多数の警察官を交えた見送りをうけつつ、東京行の超特急列車「かもめ」号....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
夜になった。夜半近く、又、行軍縦隊や、自動車や、鍋釜をかついだ大行李の人夫等が、
駅頭に着いた。 一台の立派な自動車には、抜身のピストルを持った二人の少年兵が左....
「火星兵団」より 著者:海野十三
んな禿げ頭の年寄ではありません。どうか、よく見直してください。はははは」
両国
駅頭で、大江山課長と禿頭問答をやった新田先生は、急になんだか和やかな気持になった....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
から左袒する者といわねばならぬ。 いずれにしても人民戦線という呼び声は喧しい。
駅頭で売っているパンフレットにも二三これを取り扱ったものがある。例えば黒木某氏の....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
、失望したハチ公 雨の日も風の日も、死んだ主人にお伴をした習慣のままに、渋谷の
駅頭に現われるハチ公である。彼は今では全くの宿なしで、大分老耗したルンペンだった....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
丁度、兄が入隊した晩であった。制服に日の丸の旗を斜にかけ、深刻な顔付で敬礼して
駅頭にたった兄へ、私は肉親への愛情のきずなを感じた。兄弟の中で一番兄と気があって....
「無毛談」より 著者:坂口安吾
ソッポをむけて、そうだという意味を表現した。 私は前後四五人の女中を、こうして
駅頭へ迎えたけれども、私がそれと目印を見破ってモシモシと話しかけると、ハイ、そう....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
離が失われているのか。私のような風来坊にも切ないのは、よけいな悲しい時間である。
駅頭の別離も、上野駅で発車前の車中にすでに誰かのフルサトがあることも、私には切な....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
夜店の種々雑多なことは、日本のどの都市にも遜色がないであらう。市役所前から名古屋
駅頭まで、断続しつゝある偉観は、大した自慢にはならぬが、それ自身として、すばらし....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
刻だ。 そう思って私は依頼を受けてから五日目、午後二時過ぎ、東京駅前に行った。
駅頭は相変らず混雑していた。呉服店行の自動車には群集が犇めいていた。私は思わず微....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
を禁じ得ないではないか。公会堂をも見た。この公会堂に於て故伊藤博文公が、ハルビン
駅頭で鮮人に暗殺される三日前、盛大極まる歓迎宴が開かれたことがあるそうだ。人生朝....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
ある。外套の襟を立てて重い鞄をさげた客が市電から降りる。それ等が泥濘を踏んで東京
駅頭に立つ。 少ない客を載せた円太郎は、雪汗を飛ばせながら景気よく駆けて来る。....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
に、雨のなかを私一人で停車場へかけつけた。森山は一目で鉱山の者とわかるいでたちで
駅頭に佇み、私を待ち侘び顔だった。 「さア、これから先は万事おれに委せといてくれ....