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「駿足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

駿足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
この眼で、たしかに覗《のぞ》き見してまいりましたぞ。」などと、旗取り競争第一着、駿足の少年にも似たる有頂天の姿には、いまだ愛くるしさも残りて在り、見物人も微笑、....
ゼーロン」より 著者:牧野信一
ターの筒先に見出されぬ間にここを横断しなければならない。それにはゼーロンの渾身の駿足が必要だったからである。それでなくともこの森を単独で往行した人物は古来から記....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
う人があって、西河郡の南に寓居していたが、家に一頭の馬を飼っていた。馬は甚だ強い駿足であった。 ある朝早く起きてみると、その馬は汗をながして、息を切って、よほ....
真田幸村」より 著者:菊池寛
この騎馬鉄砲は、政宗御自慢のものである。 仙台といえば、聞えた名馬の産地。その駿足に、伊達家の士の二男三男の壮力の者を乗せ、馬上射撃を一斉に試みさせる。打立て....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
を引っ包んだ。 侵入軍の総勢は、二百人余と思われたが、いずれも甲冑に身を固め、駿足の馬に跨がっているので、その勢いの猛々しさは、教団の人々の比ではない。それに....
十二支考」より 著者:南方熊楠
。この藻の中に海馬や楊枝魚多く住む。さて和漢アラビヤ等に竜が海より出で浜辺の馬に駿足の竜駒を生ます談多い。馬属ならぬものが馬を孕ますはずなければ、これは人知れず....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
」連はこのモラルにその文学的な評論の立脚点を求めたのである。アリストテレス門下の駿足と公認されているテオフラストスの著『性格』を初めとして、之を遙かに継承したラ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ないので、 「おや、千破矢様、どうして貴方、」と渋面を造って頭を下げる。その時、駿足に流汗を被りながら、呼吸はあえて荒からぬ夕立の鼻面を取って、滝太郎は、自分も....
源氏物語」より 著者:紫式部
てございません。 という文である。宮へは長い手紙を書いた。そして夕霧は厩の中の駿足の馬に鞍を置かせて、一昨夜の五位の男を小野へ使いに出すことにした。 「昨夜か....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ろに。 忠相が後から声をかけた。 「彼奴《きゃつ》、稀代の韋駄天《いだてん》、駿足《しゅんそく》でござるな、はははは、それはそうと、貴殿、落とし物はござらぬか....
三国志」より 著者:吉川英治
毛は、紅梅の落花を浴びたように染まった。きのう公孫※から、当座の礼としてもらった駿足である。 子龍は、なおも進んで敵の文醜、顔良の二軍へぶつかって行った。にわ....
三国志」より 著者:吉川英治
の尾も触れんばかり後ろに迫ったが、彼の馬と、呂布の馬とは、その脚足がまるで違う。駿足赤兎馬の迅い脚は、辛くも呂布の一命を救った。 徐州は奪られ、小沛にははいれ....
三国志」より 著者:吉川英治
えて、そんなに歓喜するのかね」と、たずねた。 すると関羽は、 「こういう千里の駿足が手にあれば、一朝、故主玄徳のお行方が知れた場合、一日のあいだに飛んで行けま....
三国志」より 著者:吉川英治
、ひらりと肩に打ちかけると、 「おさらば」と、ただ一声のこして、たちまち北の方へ駿足|赤兎馬を早めて立ち去ってしまった。 「見よ。あの武者ぶりの良さを――」 ....
黒田如水」より 著者:吉川英治
に、夕風に転がってゆくそれを追って拾っていたが、官兵衛をのせた名馬書写山は、その駿足にまかせて、彼女がふたたび道を眺めたときは、もう遠い秋の夕霧のうちに影をかく....