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騒ぐ
「騒ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
騒ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
た髪を微風に吹かせながら、馬上に頭《こうべ》をめぐらして、後《しりえ》にののしり
騒ぐ人々の群れを、誇らかにながめやった。
それも無理はない。彼は、味方の破れる....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
。」と呼びかけながら、刀を抜き放って飛びかかった。が、相手は編笠をかぶったまま、
騒ぐ気色もなく左近を見て、「うろたえ者め。人違いをするな。」と叱りつけた。左近は....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
なっては大変だと、何度もひやひやしましたが、ミスラ君は静に紅茶を飲みながら、一向
騒ぐ容子《ようす》もありません。そこで私もしまいには、すっかり度胸が据《すわ》っ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
不健全な香気が、発散して来るのを感ぜずにはいられなかった。そうしてこの香気が彼の
騒ぐ心を一層|苛立《いらだ》てて行くような気がしてならなかった。だからようやく独....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
彼の崇拝者が、まだ彼等に未練があるのを押し止《とど》めなければならなかった。
「
騒ぐな。
騒ぐな。逃げるものは逃がしてやるのが好《い》いのだ。」
若者はやっと彼....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ばくりょう》を従えながら、厳然と歩いて来たからだった。
「こら、騒いではいかん。
騒ぐではない。」
将軍は陣地を見渡しながら、やや錆《さび》のある声を伝えた。
....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
名の家来《けらい》は、驚破《すわ》、殿中に椿事《ちんじ》があったと云うので、立ち
騒ぐ事が一通りでない。何度目付衆が出て、制しても、すぐまた、海嘯《つなみ》のよう....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
看護をしていた三人には、また失神したとでも思われたのでしょう。急に皆そわそわ立ち
騒ぐようなけはいがし出しましたから、新蔵はまた眼を開くと、腰を浮かせかけていた泰....
「或る女」より 著者:有島武郎
て、本牧《ほんもく》の沖合いまで東京湾の海は物すごいような草色に、小さく波の立ち
騒ぐ九月二十五日の午後であった。きのうの風が凪《な》いでから、気温は急に夏らしい....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
く波に揺られていた船の艫には漁夫たちが膝頭まで水に浸って、わめき始める。ののしり
騒ぐ声がひとしきり聞こえたと思うと、船はよんどころなさそうに、右に左に揺らぎなが....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
よ。 始めに神々、かくて地の成り出でしことのさまを語れ、 また河々の、果てなき波
騒ぐ底ひなき海の、 また輝く星の、遠く円かなる大空の始めはいかなりしぞ。 この中....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
い、手を拱けば、たちどころに消えて見えなくなるであろうと、立花は心に信じたので、
騒ぐ状なくじっと見据えた。 「はい。」 「お迎に参りました。」 駭然として、 ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
で。 死んだは、活きたは、本宅の主人へ電報を、と蜘蛛手に座敷へ散り乱れるのを、
騒ぐまい、
騒ぐまい。毛色のかわった犬|一疋、匂の高い総菜にも、見る目、※ぐ鼻の狭....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はそろそろあせり出しました。『この分で行けば家名は断絶する……。』――そう言って
騒ぐのでした。が、三|年ではまだ判らないというので、更に二|年ほど待つことになり....
「活人形」より 著者:泉鏡花
出て来らるべき道理は無きが、となおも様子を聞きいるに、頭の上なる座敷には、人の立
騒ぐ気勢あり。幽霊などと動揺きしがようやくに静まりて、彼方へ連れ行き介抱せんと、....