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騒し
「騒し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
騒しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
の十八で、新一郎との間に結納が取り交わされるばかりになっているのであるが、世間が
騒しいので、そのまま延々になっているのだ。 だから、成田邸の勝手は、自分の家同....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
う、とおっしゃって下さいますけれども、先生のお手許に居ては、なお掏摸の名が世間に
騒しくなるばかりです。 卑怯なようですけれど、それよりは当分|地方へ引込んで、....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
先聞たまえと云うのに、爾サ家の内とも、家の内で殺したのだ、(大)家の中でも矢張り
騒しいから近所で目を醒すだろう(谷)ソオレ爾思うだろう素徒は兎角|爾云う所へ目を....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
く落葉して高く空に突立ち、細葉の楊樹は踞るように低く隠れている。秋の光を送る風が
騒しく吹渡ると、草は黄な波を打って、動き靡いて、柏の葉もうらがえりました。 こ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
返って来た。 向こう側に誰かいるらしい。待ち伏せをしているらしい。 犬達は喧
騒した。つづけて二、三匹飛び込もうとした。 「叱!」 と葉之助は手で止めた。 ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
やがてだわね、大きな樹の下の、畷から入口の、牛小屋だが、厩だかで、がたんがたん、
騒しい音がしました。すっと立って若い人が、その方へ行きましたっけ。もう返った時は....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
仕度に一騒するのである。それで老母を初め細君娘、お徳までの着変やら何かに一しきり
騒しかったのが、出て去った後は一時に森となって家内は人気が絶たようになった。 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
あれ星が飛びましたよ。」 湯の谷もここは山の方へ尽の家で、奥庭が深いから、傍の
騒しいのにもかかわらず、森とした藪蔭に、細い、青い光物が見えたので。 「ああ、こ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
会が開設される。万事が改まって新しく明るくはなったが、また騒がしくもなった。その
騒しさが少年の心を弥が上にも刺戟した。まだ社会の裏面を渾沌として動きつつあった思....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
狩り立てられ、同派は組んで異端を襲い、同党は一致して異党を攻め、罵り、要求し、喧
騒し合った。 「生地獄の人達を救い出せ!」 「ワ――ッ」と数十人が鬨の声をあげて....
「怪談綺談」より 著者:小酒井不木
、どこ迄も真面目に主張するのであった。 すると午前十時頃になって裏通りが俄かに
騒しくなり、大勢の人だかりがして来たので何事が起きたのかと、主婦が聞いてみると、....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
が、かの徒然草に書かれましたる中に『よろずにいみじくとも、色好まざらん男はいと騒
騒しく、玉の巵のそこなき心地ぞすべき』と仰せられました。また『世の人の心まどわす....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ですが、あるいは博奕をしたり公々然と汚穢な振舞をしたり、神聖に保たるべき寺の中の
騒しい事なお市場より甚しいというに至っては言語道断の次第で、全く仏法滅亡の兆を顕....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の香のなまなましいバラックの、戸は引いて、窓も閉めたのが、その中では何か盛んに喧
騒していた。たしかに酒に酔うた五、六の人間の放歌高吟がきこえた。 そのバラック....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
落ちて来た。倏にして太い銀針のような雨脚があたりを真白にしてしまう。折々電光が物
騒しく動揺する大気を掠めて、仄に赤く眼を射る。雷鳴は左程ひどくもなかったが、岩に....