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騒然
「騒然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
騒然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
る声と、それから太刀《たち》の打ち合う音とが、はるかな空の星を動かして、いっそう
騒然と、立ちのぼった。
沙金《しゃきん》は、月を仰ぎながら、稲妻のごとく眉《ま....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
音、それから幾千人もの人々が逃げ惑うのでございましょう、声とも音ともつかない響が
騒然と煮えくり返るのをぼんやり聞いて居りました。が、それはほんの刹那《せつな》の....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
して火葬場へ運ぶのである。牛舎はむろん大々的消毒をせねばならぬ。 いままで雑然
騒然、動物の温気に満ちていた牛舎が、たちまちしんとして寂莫たるように変じたのを見....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
た。 丁度そのころ、大東京ははしかにでも罹ったように、あちらでも、こちらでも、
騒然としていた。号外の鈴は、喧しく、街の辻々に鳴りひびいていた。夜になった許りの....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
最低収入の月であった。記憶に値する。 (この日記終り) 空襲都日記(二) この
騒然たる空の下、事実を拾うはなかなか困難であり、それを書きつけるは一層難事である....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
書類を漸とこさ持出したゞけで、商品は殆んど全部が焼けて了ったという。 雑然喧然
騒然紛然たる中に立って誰からとなく此咄を聞きつゝ何とも言い知れない感慨に堪えなか....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
たときには、その上に撒いて消毒するためだった。 表通りを消防自動車の走ってゆく
騒然たる響きがする。消防隊員は、死物狂いで、敵の爆弾のために発火した場所を素早く....
「空襲警報」より 著者:海野十三
った。 義兄が出てゆくと、間もなくラジオの演芸放送がプツンと切れ、それに代って
騒然たる雑音が入って来た。なんだかキンキン反響しているらしい。かすかではあるが、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
はぼんやりとした恐怖の表情を示して空を見つめていた。遥かあなたの聖都は休みなしに
騒然とどよめいていたが、彼の周囲は荒涼として、唖のごとくに静まり返っていた。奇蹟....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
第一景 勉強組合 △
騒然たる中学校の教室の音響――「やい亀井」「なんだ松岡」「随分黒いぞ」「黒くてお....
「瘤」より 著者:犬田卯
なんでも村長がいなくては……」という事だったが。 おりから二・二六事件で、世は
騒然たるものがあり、また村から大量の賭博犯人があがる、村議のうち中地派だった一人....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
かかって来る。人がたえず訪ねてくる。ひっきりなしである、とてもめまぐるしい。その
騒然雑然たるさまはとても世間の人たちには想像がつくまいとおもう。 世間の人々は....
「妖怪談」より 著者:井上円了
ときはかすかなる力も大なるがごとく、遠き所のものも近きがごとく感ずるものは、他の
騒然たる障害のために覆われておったものが、その覆いから出でたのであるから、意外の....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
うところに、大きな課題があるといわなければならぬと思うのであります。(拍手。場内
騒然) 〈司会〉会場が大へんそうぞうしゅうございまして、お話がききたい方の耳に届....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
れておったが、夜中に石が飛んで来る。竹槍がスッと突出して来る、というわけで、物情
騒然たるものがあった。警察では、もう君らの生命は保障できないから、警察に来てくれ....