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騰貴
「騰貴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
騰貴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
りし市邑《しゆう》はふたたび起りました。新たに町村は設けられました。地価は非常に
騰貴《とうき》しました、あるところにおいては四十年前の百五十倍に達しました。道路....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
、今日では貴重な稀覯書として珍重されて、倫敦時価一千円以上である。且又其価は年々
騰貴するから、幾年後には何千円を値いするようになるかも計られない。日本では、伊藤....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
の農民で、ツイ十五六年前までは一反いくらという田や畑が宅地となって毎年五六割ずつ
騰貴する。甚だしきは一時に二倍三倍に飛上る。夫までは糞桶を担いでいた百姓が俄に紋....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
、円朝の出演する席だけが四銭の木戸銭を取ると云われていたが、日清戦争頃から次第に
騰貴して、一般に四銭となり、五銭となり、以後十年間に八銭又は十銭までに騰った。ほ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ので、飲食店も数を増し、嫖客の数も数を増し、大いに盛るところから、それ地代などが
騰貴して、縄張りなどの争いも起こる。と、元締めというようなものが、自然とできて世....
「書記官」より 著者:川上眉山
に競争者の相手も今は数人の多きに上りて、いわゆる見積りの価格なるもの、また次第に
騰貴して、三十五万円の声を聞き、なおその競争の容易に止まるべくもあらざれば、さす....
「競馬」より 著者:犬田卯
から確かなもんだ。つぶしにしたって三十円――いや五十円はある。なにしろいま地金の
騰貴している時だからね。この町の時計屋へ持って行ったって三十円は欠けまいと思うよ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
のだ。小作地でさえそれは免れられぬ。もし地主に一任しておくなら、つまりは小作料の
騰貴でなければならず、でなければ、それこそ杉や桑や、その他ここに適当と思われる樹....
「米」より 著者:犬田卯
足で(日支事変のための原料不足に加えて製造能力の低下のためだという)価額が倍にも
騰貴してしまった。そんなことから、一方では増産ということが国家の至上命令となった....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
の柘榴石も自然に取払われた。 湯銭は八厘から一銭、一銭五厘、二銭と、だんだんに
騰貴して、日露戦争頃までは二銭五厘に踏み留まっていたが、場末には矢張り二銭という....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
に準じて観客が少なかったためである。入場料もまた廉かった。その廉い入場料が俄かに
騰貴して世間をおどろかしたのは、新富座の明治十五年六月興行で――座主の守田は負債....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
る。その当時の徳川幕府は金がなかった。已むを得ずして悪い銀を造った、随って物価は
騰貴した、市民は難渋した。また一方には馴れない工事のために、多数の死人を出した。....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
べりという。これがために汽車の運動を休止せる所あり、物価もその供給を欠けるために
騰貴をきたせり。各停車場内には兵隊の警備せるあり、あたかも戦場に入るがごとき形勢....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
戸時代には桟敷三十五匁、土間二十五匁が普通にて、それに比較すれば明治以後は大いに
騰貴したる次第なるが、一匁は一銭六厘五毛なれば、平土間七十五匁は一円二十三銭七厘....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
行使という他はありません。 さらに、インフレーションにより、当然招来する物価の
騰貴は、いよ/\彼等を死地に追いやるものとして、ありの群に、殺虫剤をかけると同じ....