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驚かし
「驚かし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
驚かしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
くはならなかった。雨戸の外では夜鳥《よどり》の声が、遠近《えんきん》を定めず私を
驚かした。その声はこの住居《すまい》の上にある天主閣《てんしゅかく》を心に描かせ....
「冬」より 著者:芥川竜之介
も出すことは出来ません。」
こう云う僕等の話の中《うち》に俄《にわ》かに僕等を
驚かしたのは「T君万歳」と云う声だった。僕は片手に窓かけを挙げ、窓越しに往来へ目....
「影」より 著者:芥川竜之介
いを一つすると、机にかけていた両足を下した。それは卓上電話のベルが、突然彼の耳を
驚かしたからであった。
「私。――よろしい。――繋《つな》いでくれ給え。」
彼....
「河童」より 著者:芥川竜之介
に驚嘆しました。なんでもそこでは一年間に七百万部の本を製造するそうです。が、僕を
驚かしたのは本の部数ではありません。それだけの本を製造するのに少しも手数のかから....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
られた街衢《がいく》の井然《せいぜん》たることは、松江へはいるとともにまず自分を
驚かしたものの一つである。しかも処々に散見する白楊《ポプラア》の立樹は、いかに深....
「女体」より 著者:芥川竜之介
》として歩いている。楊は余りに事が意外なので、思わず茫然と立ちすくんだ。が、彼を
驚かしたのは、独りそればかりではない。――
彼の行く手には、一座の高い山があっ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
たはらはくしゅう》風の歌を作っていた。すると「おい」と云う父の声が、突然彼の耳を
驚かした。彼は倉皇《そうこう》と振り返る暇にも、ちょうどそこにあった辞書の下に、....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
保吉は勿論《もちろん》その話に耳を貸していた訣《わけ》ではなかった。が、ふと彼を
驚かしたのは、「わんと云え」と云う言葉だった。彼は犬を好まなかった。犬を好まない....
「或る女」より 著者:有島武郎
肩に顔を伏せてさめざめと男泣きに泣き出した。
この不意な出来事はさすがに葉子を
驚かしもし、きまりも悪くさせた。だれだとも、いつどこであったとも思い出す由がない....
「星座」より 著者:有島武郎
っと枕に頭をつけた。濡れた枕紙が氷のごとく冷えて、不吉の予覚に震えるおぬいの頬を
驚かした。
おぬいの口からはまた長い嘆息が漏れた。
身動きするのも憚《はばか....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
んだから。」二人は子供どうしのような楽しい心で膳に向かった。君の大食は愉快に私を
驚かした。食後の茶を飯茶わんに三杯続けさまに飲む人を私は始めて見た。 夜食をす....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
元前六四〇―五五〇年の人、ミレトスのタレースがあるとき日食を予言して世人の耳目を
驚かしたという話が伝えられている。疑いもなく彼はこの日月食を算定するバビロニア人....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
空気を吸って、緑色な草木を見て、平日よりも好い人になって居るのだ。初の内は子供を
驚かした犬を逐い出してしまおうという人もあり、中には拳銃で打ち殺そうなどという人....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
気の両極に似ているのかな。何しろ反対なものを一しょに持っている」 そこへ僕等を
驚かしたのは烈しい飛行機の響きだった。僕は思わず空を見上げ、松の梢に触れないばか....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
は今日でも乞食が三、四人集まっていた。がそんなことはどうでもよい。それよりも僕を
驚かしたのは膃肭獣供養塔というものの立っていたことである。僕はぼんやりこの石碑を....