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驚喜
「驚喜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
驚喜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子は一刹那《いっせつな》の違いで死の界《さかい》から救い出された人のように、
驚喜に近い表情を顔いちめんにみなぎらして裂けるほど目を見張って、写真を持ったまま....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
でいった。雄吉は、青木の天才が、こうした輝かしい承認を受け始めたことを、どんなに
驚喜したか、わからなかった。こうして、多くの人々から認められるにつけて、青木の自....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
る哲学だった。もし、「顔」が、山野、否、俺の友人の作品でなかったら、俺はどんなに
驚喜したことだろう。それが、俺の競争者しかも俺を踏みつけようとする山野の作品であ....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
めであった。 従って、彼はターヘルアナトミアを、ある内通辞から示されると、彼は
驚喜の目を瞠《みは》らずにはおられなかった。濃い赤と青とで彩られた、臓腑骨節の精....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
のキッカケをつくる有力なるキャタライザーにめぐりあったことを喜ぶのあまり、つまり
驚喜乱舞という狂燥発作に陥ったのであった。 楊《ヤン》博士は、雑誌を胸にいだき....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
甚兵衛 投げたとも。わしゃ二つ投げたぞ。 村年寄村人たち ほんまか。ほんまか。(
驚喜す) 甚作 (駆けよって)兄や、何いうんじゃ。 (おどろいて兄の口を制せんと....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
を忍ばせ、居間の窓粋へ辿りつくと、そうッとスキーを脱いで杖に突き、窓枠へ乗って、
驚喜する家人の顔を心の中に描きながら、硝子扉を開けた。 ああ僕は、しかしそこで....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
驚き」の主なるものであった。 茅野雄が、この土地へやって来るや、浪江は最初から
驚喜したが、覚明の方は、それほどでもなく、 「うむ、茅野雄か、何と思って来たぞ?....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
イショヨイショ」 二人は夢中で櫂を使った。 二人の少年の報告を聞くと、一同は
驚喜して躍り上がった。 にわかに海軍が編成され、宝島征伐が行なわれた。 地下....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
ったが、この美しい夜の景色には、うっとりとせざるを得なかった。 ふいにあやめが
驚喜の声をあげた。 「まア梯子が! ここに梯子が!」 いかさま廊下の欄干ごしに....
「光は影を」より 著者:岸田国士
という気がする。 が、そう思うしりから、彼の無事な顔を不意にみた家のものたちの
驚喜、いそいそと、またおろおろと彼を迎える肉親の佯りのない表情が、想像できなくも....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
その瞬間、左門は、水の引くように、滑らかに後へ退いた。 (逃げるぞ!) 頼母は
驚喜した。自分の気勢に恐れて、左門が逃げたと思ったからであった。頼母は追った。 ....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
に浮べた。宮坂はと見ると、思いがけなく、自国を率直に語る文豪の言葉の真実性に内心
驚喜し、彼の味到癖を傾けつくして其の一句一句を蜜のように貪り吸っている様子だ。 ....
「広告」より 著者:伊丹万作
ものは残念ながら現代にはきわめて乏しい。 そこへ中村の『長子』が出た。 私は
驚喜せずにはいられない。 これこそ私の考えている詩である。彼こそは私の描いた詩....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
については僕はすっかり憶えている、――たとえば、僕の室を白く新しく塗り変えて僕を
驚喜させたことなども。ブロイニング家のことも忘れない。皆が別れ別れになったのは、....