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「骨の髄まで〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

骨の髄までの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
なものでありました。当地は、おそろしい蟻の繁殖地で、朝の死体は夕には、肉はおろか骨の髄まで食われてしまうのです。ただ、その骸骨が不思議なものであっただけに、その....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ずれば、湯の気たちのぼる四肢五体より、淡々しく鼻にまつわりこす同じ匂い、かくては骨の髄までも深く深く沁み入ったように覚えて、その爽やかさ心地よさ、東男の血の貴さ....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
驚きが鎮まらないうちに、その闖入者の声が聞えたのであった。 「諸君」と彼は、私の骨の髄までもぞっとするような、低い、はっきりした、決して忘れられないささやき声で....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
れを何と言ったらいいか、こう言うよりほかには、私にはよくわからないのですが、――骨の髄までも何だかぞっとするようなところですね。」 「僕も実はおまえの言うような....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
っていた。 まだごく早くて、私が戸外で感じた一番寒い朝だったように思う。寒気は骨の髄までも滲み徹った。空は晴れわたって頭上には一片の雲もなく、樹々の頂は太陽に....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
、きまつたウチは窮屈さ。街で拾はれなきや、第一、気分がでやしないや」 青天井が骨の髄まで泌みてゐる。夜の王様の構図の如き、蔑むべき、卑小きはまる、家庭の模倣に....
イオーヌィチ」より 著者:神西清
どますます情けなそうな溜息をつきながら、わが身の悲運をかこつのだった。馭者稼業に骨の髄までやられたのだ! スタールツェフは方々の家へ出入りして、ずいぶんいろん....
初雪」より 著者:秋田滋
じゅう、客間にいても、食堂にいても、居間にいても、どこにいても寒さに悩まされた。骨の髄まで冷たくなってしまうような気がした。良人は夕餉の時刻にならなければ帰って....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
るのである。それをじっと聞いているうちに、肉も血もおのずと凍るように感じられて、骨の髄までが寒くなって来たので、叔父は引っ返して蒲団の上に坐った。 僧が注意し....
おびとき」より 著者:犬田卯
。」 と夫の作造はのんきに構えこんだのだが、女房は――家付娘としてこの村の習慣に骨の髄まで囚われてしまっているお島としては、隣同士で招んでも来なかった、とあとで....
かもめ」より 著者:神西清
は、自分にできるのは、自然描写だけだ、ほかのことにかけては一切じぶんはニセ物だ、骨の髄までニセ物だ、と思っちまうんですよ。 ニーナ あなたは過労のおかげで、自分....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
、泥んこの中へ引きずり込まれてしまったじゃないか。その毒気に当てられて、僕たちは骨の髄まで腐っちまったじゃないか。そしてお互い、世間なみの凡俗に成り下っちまった....
凍るアラベスク」より 著者:妹尾アキ夫
降りれば降りるほど、湿っぽい、土くさい空気が鼻をつき、その上次第に温度が下って、骨の髄までしみる寒さであった。 そして長い階段の一番下まで来た時には、彼らは極....
はつ恋」より 著者:神西清
な、はじらいがちの予感が、潜んでいたのだった。 この予感、この期待は、わたしの骨の髄までしみわたって、わたしはそれを呼吸し、またそれは血の一滴々々に宿って、わ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
がって見たいようだ。此日頃|厳つい偃松の枝や荒い山上の風にのみ撫でられ晒されて、骨の髄までサラサラに荒け切った体には、斯うした溢れるような柔い色彩の感じは、最も....