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骨折り損
「骨折り損〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
骨折り損の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
も保《も》たせるように、繕って見ておくれよ。」 「いや、駄目なことですよ。どうせ
骨折り損の銭うしないってことにしきゃなりませんから。」とペトローヴィッチが言った....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ても、藻ももう十四じゃ。どんな狐が付いていようも知れぬ。正直にそこらを探し廻って
骨折り損じゃあるまいか」 千枝松はまたむっとした。しかしここで争っているのは無....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
うちに、自分の勉強に障ったり、毎日の業務に煩《はん》を及ぼしたり、とどのつまりが
骨折り損の草臥儲《くたびれもう》けだからね」
「ご免なさい。今ちょっとボールが飛....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くなかった。なんだか此の事件には深い奥行きがありそうに思われてならなかった。 「
骨折り損だと思って、もう少しほじって見ろ」 彼は上野の山下まで用達に行って、す....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たが、深い井戸の底からは赤い泥鰌が一匹浮び出て大勢を珍らしがらせただけで、これも
骨折り損に終った。 詮議の蔓はもう切れた。 今度は松村の発議で、忌がるお道を....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
ところで、すでになんらかの「題目」を持っていない学生にとってはきわめて効果の薄い
骨折り損になりやすいものである。またこんなものから題目を選み出すという事も、でき....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
のつかない損だ、という気持が知らず知らずの間に、自分の不決断に作用していたのだ。
骨折り損を避けるために、骨はさして折れない代わりに決定的な損亡へしか導かない途に....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
日というものは、頭目を探すので、大骨を折りましたぜ。しかも連絡はつかないじまい。
骨折り損のくたびれもうけです」 四馬剣尺が、どっかと腰をかけた頭目台の前へいっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
景色をごらんになるわけではなし、朝の御来光を拝みなさるわけではなし……それこそ、
骨折り損じゃありませんか。それよりは、おとなしく、炬燵《こたつ》に入って休んでお....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
こけ猿はどこへいったか、皆目《かいもく》行方がわからない。
高大之進の一行は、
骨折り損のくたびれ儲け。これじゃア喧嘩にもならない。ブツクサ言って引きあげて行く....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
は苦心を見てくれない。いったい主人はふだんから長束に目をかけていたようだ、我々は
骨折り損だという気がして、店員全体にその後しばらく面白くない空気を醸した。なるほ....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
い――ペイルソルプは、机上を片附けて起ち上がっていた。 「おい、誰か僕と一緒に、
骨折り損の草臥れ儲けに出掛ける物好きはないか。タマス・ケリイ君、ヘンリイ・マンガ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
のでありました。 大仏は、もう一度塗り上げて、再び蓋を明けて見ましたが、それも
骨折り損でありました。二度と起てないように押し潰された佐竹の原は、もう火の消えた....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、所詮、大阪までは保っていまい」 「お下屋敷へつく前に、死骸になってしまっては、
骨折り損というものだ」 様子をふりかえった天堂一角は、森や九鬼とともに、つかつ....