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骨肉
「骨肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
骨肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
げ髪がねばり付いて、頬《ほお》は熱でもあるように上気している。それを見ると葉子は
骨肉《こつにく》のいとしさに思わずほほえませられて、その寝床にいざり寄って、その....
「或る女」より 著者:有島武郎
打たした。これほどまでに自分の帰りを待ちわびてもい、喜んでもくれるのかと思うと、
骨肉《こつにく》の愛着からも、妹だけは少なくとも自分の掌握の中にあるとの満足から....
「富士」より 著者:岡本かの子
まだ見ぬ東国の山は翁に取っていま、一層に、慕《した》わしいものとなった。それへも
骨肉を分けて血の縁を結んだなら自分の性格の複雑さも増す思いで、分身を雲の彼方にも....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
憤《いか》りになってはいけませんわ。現在の十四郎との肉欲世界も、時江さんのような
骨肉に対する愛着も、みんな貴方が、私からお離れになったからいけないのですわ。でも....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
を服用しようということは神によって造られた人間の犯すべからざる権限であり、さらに
骨肉相食む類の醜態を誘発して人類の風紀は下等動物以下に堕落するのは火をみるより明....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
た。今まで絶えず君と君の兄上とを見つめていたのだ。そう思うと君はなんとも言えない
骨肉の愛着にきびしく捕えられてしまった。君の目には不覚にも熱い涙が浮かんで来た。....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
して、これに一飯を遣ったとすれば、その愛された人と一飯とは共に還って来て私自身の
骨肉となるだろう。憎しみの場合に於ても、例えば私が私を陥れたものを憎んで、これに....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
してはどこか哀れな、大きなその眼は見る事が出来なかった。クララは、見つめるほど、
骨肉のいとしさがこみ上げて来て、そっと掌で髪から頬を撫でさすった。その手に感ずる....
「地球盗難」より 著者:海野十三
る戦争は、無期休戦に入ることを広く告げられた。 「われわれ地球に棲息する人類は、
骨肉|相食む闘争を即時中止し、全人類一致団結して、やがて侵入して来ようとするウラ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
の廓で、夜更けて寝乱れた従妹にめぐり合って、すがり寄る、手の緋縮緬は心の通う同じ
骨肉の血であるがごとく胸をそそられたのである。 抱えられた家も、勤めの名も、手....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
人間が額に汗して築き上げたる平和の結晶は、一朝にして見る影もなく掃滅せられ、夫婦
骨肉の聖き羈は断たれ、幾千幾万の家族は、相率いて不幸の谷底に蹴落され、大地の上は....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
里虹のみが知る双生児の表象であろうし、さらに、実の妹とも知らずお袖と懇ろにした、
骨肉相姦の意味も必ずやあるに相違ない。そうして、刻々と血が失われてゆくような真蒼....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ではないが、これも呪われたる禍いは逃がれぬ。見よ、父は子を憎み、子は父に背いて、
骨肉相|食むの畜生道は眼のあたりじゃ。人妻に懸想してその夫をほろぼすほどの無道人....
「迷信解」より 著者:井上円了
は草木などにも含まれておるが、生物に最も多く加わりておる。例えば、人の死してのち
骨肉の腐れたるときのごとき、この気がその体より離れ、水素に合して光を放つに至る。....
「北の国のはなし」より 著者:小川未明
、そこからあてなく、すごすごと歩きはじめました。 頼りなく思うと、じきに寒さが
骨肉にしみこんできました。しかし、彼は、一|匹でいいから魚が釣れたときのことを空....