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骨董
「骨董〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
骨董の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
彼女にはどちらでも善かった。唯《ただ》彼女に気がかりだったのは父が書画《しょが》
骨董《こっとう》までもずんずん妾宅へ運ぶことだった。お鈴はお芳が女中だった時から....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
柳島《やなぎしま》の萩寺《はぎでら》へ寄った所が、そこへ丁度彼の屋敷へ出入りする
骨董屋《こっとうや》が藤井の父子《おやこ》と一しょに詣《まい》り合せたので、つれ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
うのは資本家のゲエルのように暮らしているという意味ではありません。ただいろいろの
骨董《こっとう》を、――タナグラの人形やペルシアの陶器を部屋《へや》いっぱいに並....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
前、新潟県のある町の稲見《いなみ》と云う素封家《そほうか》にあったのです。勿論|
骨董《こっとう》としてあったのではなく、一家の繁栄を祈るべき宗門神《しゅうもんじ....
「或る女」より 著者:有島武郎
いかげんな口実《こうじつ》を作って只《ただ》持って行ってしまった。父の書斎道具や
骨董品《こっとうひん》は蔵書と一緒に糶売《せりう》りをされたが、売り上げ代はとう....
「或る女」より 著者:有島武郎
分の負けじ魂から自分の見方が凡俗だとは思いたくなかった。芸術家などいう連中には、
骨董《こっとう》などをいじくって古味《ふるみ》というようなものをありがたがる風流....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ものといえども、見識があって、役者の下端だの、幇間の真似はしない。書画をたしなみ
骨董を捻り、俳諧を友として、内の控えの、千束の寮にかくれ住んだ。……小遣万端いず....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、奇絶々々。)と寒さにふるえながら牛骨が虚飾をいうと(妙。)――と歯を喰切って、
骨董が負惜しみに受ける処だ。 またあたかも三馬の向島の雪景色とおなじように、巻....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
もの、一九、京伝、三馬、馬琴、種彦、烏亭焉馬などの本が沢山にあった。特に京伝の『
骨董集』は、立派な考証学で、決して孫引きのないもので、専ら『一代男』『一代女』古....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
何か白い草花の沢山咲いていたのを覚えている。 滝田君は本職の文芸の外にも書画や
骨董を愛していた。僕は今人の作品の外にも、椿岳や雲坪の出来の善いものを幾つか滝田....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
いて貰われたらしいんです。だから夏目先生のものは随分沢山持っていられました。書画
骨董を買うことが熱心で、滝田さん自身話されたことですが、何も買う気がなくて日本橋....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
術国という日本の古美術品も其実三分の一は茶器である、 然るにも係らず、徒に茶器を
骨董的に弄ぶものはあっても、真に茶を楽む人の少ないは実に残念でならぬ、上流社会腐....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
古ぼけた美 東京と違って、京都は展覧会を観る機会も数も少のうございますが、私は書画や
骨董の売立のようなものでも、出来るだけ見逃さないようにして、そうした不足を満たす....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
どの炎天を、草鞋穿で、松任という、三里隔った町まで、父が存生の時に工賃の貸がある
骨董屋へ、勘定を取りに行ったのであった。 七十の老が、往復六里。……
骨董屋は疾....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
家の内儀風の、しゃんと調ったお悦と、急き心に肩を揃えて、私は、――瀬戸物屋で――
骨董をも合わせて陳列した、山近き町並の冬の夜空にも、沈んだ燦爛のある窓飾の前へ立....