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髄
「髄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
髄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
いる。そう思うと、猪熊《いのくま》の爺《おじ》は、名状しがたい怒りと苦痛とに、骨
髄をかまれるような心もちがした。そうして、それとともに、なんだか轆轤《ろくろ》の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
まま、つまらなそうにこう返事をしました。
「これですか? これは驢馬《ろば》の脳
髄ですよ。ええ、一度乾燥させてから、ざっと粉末にしただけのものです。時価は一|噸....
「路上」より 著者:芥川竜之介
を合わすと、三度《みたび》俊助の方へ振り返って、
「君、この連中が死んだ後で、脳
髄《のうずい》を出して見るとね、うす赤い皺の重なり合った上に、まるで卵の白味《し....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
複雑なる人生を簡単にするものは暴力より外にある筈はない。この故に往往石器時代の脳
髄しか持たぬ文明人は論争より殺人を愛するのである。
しかし亦権力も畢竟はパテン....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
うに顔を撫《な》でる。すると頭は透明になり、丁度一枚の解剖図のようにありありと脳
髄を露《あらわ》してしまう。脳
髄は始めはぼんやりと三十枚の銀を映している。が、そ....
「或る女」より 著者:有島武郎
ると、そのほうに素早《すばや》く目を転じたが、その物すごい不気味《ぶきみ》さに脊
髄《せきずい》まで襲われたふうで、顔色をかえて目をたじろがした。
「岡さん。わた....
「片信」より 著者:有島武郎
「いかに『ブルジョアジーの生活に浸潤しきった人間である』にしても、そのために心の
髄まで硬化していないかぎり、狐《きつね》のごとき怜悧《れいり》な本能で自分を救お....
「星座」より 著者:有島武郎
学生たちも今だに心おきなく遊びに来たりするのだった。
父はおぬいの十二の時に脊
髄結核《せきずいけっかく》にかかって、しまいには半身|不随《ふずい》になったので....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の筆を続けて行く。 私の個性は私に告げてこう云う。 私はお前だ。私はお前の精
髄だ。私は肉を離れた一つの概念の幽霊ではない。また霊を離れた一つの肉の盲動でもな....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
る。すなわち、太陽は四季の循環を生じる。太陰の盈虚に伴って動物の脳味噌、骨や樹の
髄、蟹や蝸牛の肉が消長する。太陰は不可抗な力をもって潮汐の波を起こすが、太陽がこ....
「女客」より 著者:泉鏡花
ろうと、口惜いくらいでね。今に工面してやるから可い、蚊の畜生覚えていろと、無念骨
髄でしたよ。まだそれよりか、毒虫のぶんぶん矢を射るような烈い中に、疲れて、すやす....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ルは、各時代時代に、人間に下されたる神の啓示の集録である。全体を流貫する精神、骨
髄には何の相違もないが、いつもその時代の人間が把握し得る程度の真理しか漏らしてい....
「初雪」より 著者:秋田滋
う、客間にいても、食堂にいても、居間にいても、どこにいても寒さに悩まされた。骨の
髄まで冷たくなってしまうような気がした。良人は夕餉の時刻にならなければ帰って来な....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
、現在もっと落著いていられるだろう。 十月十八日―― 殺したい慾望がまだ骨の
髄を走り※ってむずむずさせる。もっぱら二十歳前後の若い者が悩まされる恋の情火のよ....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
を。」 この時フレンチは全く予期していない事を見て、気の狂う程の恐怖が自分の脳
髄の中に満ちた。動かないように、椅子に螺釘留にしてある、金属の※の縁の所から細い....