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高原
「高原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高原の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
れをめぐって黄ばんだ葭《よし》がかなしそうに戦《おのの》いて、その間からさびしい
高原のけしきがながめられる。
ほおけた尾花のつづいた大野には、北国めいた、黄葉....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の気味悪いさびしさは想像がつくまい。ニセコアンの丘陵の裂け目からまっしぐらにこの
高原の畑地を目がけて吹きおろして来る風は、割合に粒の大きい軽やかな初冬の雪片をあ....
「人間灰」より 著者:海野十三
1 赤沢博士の経営する空気工場は海抜一千三百メートルの
高原にある右足湖畔に建っていた。この空気工場では、三年ほどの間に雇人がつぎつぎに....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
。 三四 大師作、『秘蔵宝鑰』の序より。 三五 梵――インドの波羅門教における最
高原理。 三六 花をのみ……――藤原家隆作。利休はわびの本意とてこの歌を常に吟じ....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
に目をやると、蝶ガ岳、常念への峰が穂高の岩とくいちがう。そしてこの間から上高地の
高原が白く現われてくる。梓川が糸のもつれのごとく、その中を大正池まで注ぎこんでい....
「海底都市」より 著者:海野十三
ひらける広々とした雄大《ゆうだい》なる奇異《きい》な風景! それは、あたかも那須
高原《なすこうげん》に立って大平原《だいへいげん》を見下ろしたのに似ていたが、そ....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
せんね」 「そんなことは、ちゃんと衛生官がしらべてあります。そしてあの光の中には
高原に近いほどの紫外線がふくまれているのです。ですから陸上の都会に住んでいる人た....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
場所。 信州松本、村越の家 人物。 村越欣弥(新任検事) 滝の白糸(水芸の太夫) 撫子(南京出刃打の娘)
高原七左衛門(旧藩士) おその、おりく(ともに近所の娘) 撫子。円髷、前垂が....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
も残っている。その二日目の十五日の夜に、麹町谷町の北側、すなわち今日の下二番町の
高原織衛という旗本の屋敷で、歌留多の会が催された。あつまって来た若侍は二十人余り....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
へ ゆき子。山からの手紙ありがとう。蜜月の旅のやさしい夫にいたわられながら霧の
高原地で暮すなんて大甘の通俗小説そのままじゃないか。たいがい満足していい筈だよ。....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
絵を携えて見せに一度来たきり絶えてかの女の許へ来なかった。青年は東京から遠い或る
高原地方に立て籠って、秋の展覧会の制作に取りかかっているのだそうである。 かの....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
事だ、よく見ると鼠黒い灰が一面にある。少々先きの嶮崖を下れば、梓川の本流と飛騨|
高原川の支流、右俣との水源地で、大きな鞍部、大槍に用のない猟手らは、常に此処を通....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
が雨飾山ばかりは、不思議に印象に残っていた。時々夢にも見た。秋の花を咲かせている
高原に立って、遥か遠くを見ると、そこに美しい山が、ポカリと浮いている。空も桔梗色....
「西航日録」より 著者:井上円了
トガルの海岸にそいて北走す。ポルトガルの山はスペインのごとく高からず、その多くは
高原にして一つの雪嶺を見ず。首府リスボンに入る所、灯台高くそびえ、山海の風光また....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
先、どこへ行ったのか、音さたないのである。 ポート・バードックの町のうしろは、
高原になっている。その遠くまでつづく
高原には森もある。透明人間はおそらく、その森....