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高櫓
「高櫓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高櫓の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
ら明るき中へ消えて入ったぎり再び出て来ぬのもある。 焦《や》け爛《ただ》れたる
高櫓の、機熟してか、吹く風に逆《さから》いてしばらくは※と共に傾くと見えしが、奈....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
れ土から追われた時の心は如何であろう!
品川堀が西へ曲る点に来た。丸太を組んだ
高櫓が畑中に突立って居る。上には紅白の幕を張って、回向院の太鼓櫓を見るようだ。北....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の傍へつききりで、竜之助が舟から上ると犬もつづいて陸《おか》へ上る。 「これ犬」
高櫓《たかやぐら》の神燈《みあかし》の下で竜之助は、犬を呼んで物を言う。 「おれ....
「雷」より 著者:海野十三
たとしたら当然雷撃を蒙ったろうと思われるのに、町の客人、北鳴四郎が平然としてあの
高櫓の上に頑張っていたとは、まるで嘘のような話だった。 夜に入って、北鳴は稲田....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
めるように、あの、城が見えたっけ。 川蒸汽の、ばらばらと川浪を蹴るのなんぞは、
高櫓の瓦一枚浮かしたほどにも思われず、……船に掛けた白帆くらいは、城の壁の映るの....
「三国志」より 著者:吉川英治
は、不安を抱かずにいられなかった。 その夜のことである。 独りひそかに、砦の
高櫓へのぼって行った陳登は、はるか曹操の陣地とおぼしき闇の火へ向って、一通の矢文....
「三国志」より 著者:吉川英治
していたが、ついに施す策もなかった。 「……やあ、こんどはあの築山の上に、幾つも
高櫓を組み立てているぞ」 「なるほど、仰山なことをやりおる、どうする気だろう?」....
「三国志」より 著者:吉川英治
には、見馴れない旗や幟が、夜明けの空に、翩翻と立ちならんでいる。 そしてそこの
高櫓の上には、ひとりの武将が突っ立って、厳に城下を見下していた。 怪しんで、周....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
をそそいだ。 瀬田から石山の下へかけ、川へ向って諸所に櫓を組み――櫓には出櫓、
高櫓の二種があって――楯のうちに弓隊の弓の上手を選抜して揃えた。 もちろん、大....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
うか明日かと思われるほど、最悪な所まで来ていたのである。 この実状は、この城の
高櫓にのぼって、城下を一|眸にながめれば歴然とわかる。まだこの春頃は、手をかざし....