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高粱
「高粱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高粱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
らを急に空へ向けると、忽《たちま》ち敵味方のごったになった中をつきぬけて、満目の
高粱畑《こうりょうばたけ》をまっしぐらに走り出した。二三発、銃声が後《うしろ》か....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
利《とくり》の別れか?」
穂積中佐は微笑した眼に、広い野原を眺めまわした。もう
高粱《こうりょう》の青んだ土には、かすかに陽炎《かげろう》が動いていた。
「それ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。省線電車も売らぬ。今夜は省線電車は十時半にて終業し、約一時間半くりあげる。 ◯
高粱の入りし米ながら、漸く今日配給となる。(十二日のものが十六日におくれた) ◯....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
んな場合でも露西亜兵携帯の黒パンはどうしても喉に通りませんでした。シナ人が常食の
高粱も再三試食したことがありますが、これは食えない事もありませんでした。戦闘が始....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
た駈け出して取りに行った。家の土間には土竈が築いてあるので、僕たちはその竈の下に
高粱の枯枝を焚いて唐もろこしをあぶった。めいめいの雑嚢の中には食塩を用意していた....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
なった。だが、車軸はいつまでも遠くで呻吟を、つゞけていた。 貧民窟の掘立小屋の
高粱稈の風よけのかげでは、用便をする子供が、孟子も幼年時代には、かくしたであろう....
「前哨」より 著者:黒島伝治
い支那家屋は、内部はオンドル式になっていた。二十日間も風呂に這入らない兵士達が、
高粱稈のアンペラの上に毛布を拡げ、そこで雑魚寝をした。ある夕方浜田は、四五人と一....
「骸骨館」より 著者:海野十三
ており、その道を子供が歩くときでも、両側からお化けのように葉をたれている玉蜀黍や
高粱をかきわけて行かねばならなかった。 そういうところを利用して、少年たちはか....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
工場は航空機の部分品をつくるところであった。私達はそこで手先の仕事をした。豆粕や
高粱のはいった弁当や糸のひいたパンをたべた。空襲警報がなると、十分間走って山の壕....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
面目もある訳だが、それだけに、戦場の戦闘開始前に於ける兵士や部隊の動きや、満洲の
高粱のある曠野が、空想でない、しっかりした真実味に富んだ線の太い筆で描かれていな....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
とにがっかりしながら言った。 「よろしい、よろしい。」 李太郎も老人に頼んで、
高粱の粥を炊いてもらうことになった。彼は手伝って土竈の下を焚き始めた。その煙りが....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
は大いなる土竃ありて、棚には茶碗、小皿、鉢などの食器をのせ、竃のそばには焚物用の
高粱を畑を隔てて、大連市街の灯が遠くみゆ。 (家の妻柳、四十余歳。
高粱を折りくべ....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
大抵の民家には大きい甕が一つ二つは据えてあるので、その甕を畑のなかへ持ち出して、
高粱を焚いて湯を沸かした。満洲の空は高い、月は鏡のように澄んでいる。畑には西瓜や....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
へ向った。その途中で避難者を乗せているらしい支那人の荷車に出逢った。左右は一面に
高粱の畑で真中には狭い道が通じているばかりであった。私はよんどころなしに畑へ入っ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
何とかで、ええ、何とか何とか何とかじゃあ………… 立板に水というが、これはまた
高粱畑に榴散弾でもぶち撒くように、パラパラペラペラと、よくその舌のまわることまわ....