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高調子
「高調子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高調子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
れが葉子をいっそう快活にした。葉子は久しぶりでその銀の鈴のような澄みとおった声で
高調子に物をいいながら二言《ふたこと》目には涼しく笑った。
「さ、貞《さあ》ちゃ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
音が颯《さっ》と高い。 「おお、冷《つめて》え、本降《ほんぶり》、本降。」 と
高調子《たかぢょうし》で門を入ったのが、此処《ここ》に差向《さしむか》ったこの、....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
牛乳を召上りました。白い手※《ハンケチ》で御口端を拭《ふ》きながら、聞えよがしの
高調子、 「さあ、今日は忙しいぞ」 六 丁度その日は冬至です。山家のならわしと....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
の主意を知ってるかよ」 女は黙しぬ。首《こうべ》を低《た》れぬ。老夫はますます
高調子。 「解《わか》るまい、こりゃおそらく解るまいて。何も儀式を見習わせようた....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
っちだ、はははは。」 十二時近い新橋|停車場の、まばらな、陰気な構内も、冴返る
高調子で、主税を呼懸けたのは、め組の惣助。 手荷物はすっかり、このいさみが預っ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
互いに自慢の咽喉を今日ぞとばかり、音頭取りの一くさりを唄い終るかおわらぬに一斉の
高調子、「めでためでたの若松様よ、枝も栄える、葉も繁る――」と唄い初め唄いおさむ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
て四つにはより糸より初め五では糸をとりそめ六つでころ機織そめて―― と苦労知らぬ
高調子、無心の口々|長閑に、拍子取り連て、歌は人の作ながら声は天の籟美しく、慾は....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
お光さん、私だ、榊だ、分りますか。」 「旦那さんか、旦那さんか。」 と突拍子な
高調子で、譫言のように言ったが、 「ようこそなあ――こんなものに……面も、からだ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、笑声が、ほとんど一所に小次郎法師の耳に入った。 あたかもその時、亭主驚いたか
高調子に、 「傘や洋傘の繕い!――洋傘張替繕い直し……」 蝉の鳴く音を貫いて、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
履穿きの半纏着、背中へ白く月を浴びて、赤い鼻をぬいと出す。 「へい。」と筒抜けの
高調子で、亭主帳場へ棒に突立ち、 「お方、そりゃ早うせぬかい。」 女房は澄まし....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
も深い知識ととんちをもっている。きみは天才はあるが、思慮がないよ。持ってうまれた
高調子で、とんきょうにやりだす、すぐ上からふろしきをかぶされてしまうのさ。そこは....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
も来ていたよ。 胡弓を弾く男が、一向感興が無さそうに、ウソウソと外見をしながら
高調子に胡弓を弾くと、美妓達が一人一人その前へ行って突立ち、これは迚も熱心に、力....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
今は皺になった。 「深川の方で、ええ、その洲崎の方で、」 女房聞くや否や、ちと
高調子に、 「お前、何をいうんだね。」 「だって、おかみさんは何でしょう、弁天町....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
言いよかったろう、もう、莞爾して、 「何をしていらっしゃるの。」 下品な唄を、
高調子で繰返す稼ぎのせいか、またうまれつきの声調か、幅があって、そして掠れた声が....
「女房ども」より 著者:神西清
つが、急に高笑いを響かせて絶えると、残るテノールだけが歌をつづけた。それも非常に
高調子だったので、まるでその声の昂まる極み大空にまで舞い上るかのように、思わず皆....