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「高踏的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

高踏的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
が、「何ぼ何でもあんまり負け惜しみ過ぎる」と悲しく疎まれた。 今夜はまたとても高踏的な漢籍の列子の中にあるという淵の話を持ち出して父は娘に対する感情をカモフラ....
芥川の事ども」より 著者:菊池寛
だろう。 その上、二、三年来、彼は世俗的な苦労が絶えなかった。我々の中で、一番高踏的で、世塵を避けようとする芥川に、一番世俗的な苦労がつきまとっていったのは、....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
ると思う。もちろん営利を主とする会社の営業方針に縛られた映画人に前衛映画のような高踏的な製作をしいるのは無理であろうが、その縛繩の許す自由の範囲内でせめてスター....
軍用鼠」より 著者:海野十三
るにしてもいずれも探偵小説至上論者であって、新発表の探偵小説は従来|曾て無かりし高踏的のものならざるべからずと叫んでいる。だから苟も従来の誰かの探偵小説が示した....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
使命を負わなければならぬ。併しそのためには、精神――即ち又文化――を、その従来の高踏的な君臨の王座から引き降ろし、之を出来るだけ他のものに対して譲歩させる外に、....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
わが国に存在している所謂ユーモア文学――有閑サラリーマン文学(佐々木邦其の他)・高踏的人情文学(井伏鱒二其の他)・モダーンライフ文学(中村正常其の他)等――など....
字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
下らない動物に見えて、フランスの公爵やルウマニヤの詩人やロシアの青年音楽家が、「高踏的に浅黒いタイプ」として女たちにもててきたわけ。あめりかの人はこのところこれ....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
けのポピュラリティイをもつ作家の第一の条件をちゃんと備えていることも、どうやら、高踏的な批評家の気に入らぬところらしいのです。しかし、ほんとうの民衆というものは....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
係は直接に響いて来る。「大劇場」必ずしも、商業劇場とは限らず、「小劇場」必ずしも高踏的な舞台を目指してはいないが、そういう誤解も生じ得る。 ここで、「民衆劇運....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
かなりシンラツで肩のこらない良い雑誌であったが、売行きは悪かったらしい。ちょっと高踏的でありすぎたのかも知れない。 ある時、私が呉清源と本因坊の十番碁を観戦し....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
に単純過ぎる。よろしく歌劇を上演すべしという主張と、歌劇という名目にとらわれて、高踏的に走り過ぎては温泉場の余興とはなり得ない。一切の理論から離れて、平易なやり....
国枝史郎氏の人物と作品」より 著者:小酒井不木
起す。同じ雪の山でも富士山のように平凡ではない。そうして氏の作品も富士山のように高踏的ではなくて、信州の連山のように大衆的である。そうして氏は熱烈に郷国を愛して....
熱情の人」より 著者:久保栄
つて先生の師事せられたスタニスラウスキイの一座も、現在の労農劇界においては右翼的高踏的なアカデミカル・シアタアとして、その功績を回顧的に論ぜられがちである。その....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ングを動かしうるには、哲学的努力を要し、理智と意力とに待たねばならず、したがって高踏的になりはしないかと思われます。罪とか、報いとか、祈りとかいう考え方は、鍬を....
偶言」より 著者:津田左右吉
味でいう)のものだという考もここから起り、「俗物(多数人)に何がわかるか」という高踏的態度もここから生ずる。なるほど、それは尤である。芸術は群衆心理に支配せられ....