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高雅
「高雅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高雅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
は、人事関係に基づいて更に人間の趣味そのものの性質を表明するようになり、上品とは
高雅なこと、下品とは下卑《げび》たことを意味するようになる。
しからば「いき」....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
第一章 人情の碗 茶は薬用として始まり後飲料となる。シナにおいては八世紀に
高雅な遊びの一つとして詩歌の域に達した。十五世紀に至り日本はこれを高めて一種の審....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
碌々に挨拶も返さず、石卓の上に荒々しい片手突きをして云った。
「ああ、相も変らず
高雅な団欒でございますことね。法水さん、貴方はあの兇悪な人形使いを――津多子さん....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
を追い駆けるようにして寝室へ入った。そこはくすぐったいような匂いと色調とを持った
高雅な女性の寝室であった。ベッドは右奥の壁に――。 「ゆ、雪子、雪子……」 突....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
まつりを知っているものが少くないのであって、それ位の高級さは却ってこの福引を更に
高雅なものに引き上げる。 これがそのまま、探偵小説作法にも引きうつして、云える....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
み入れながらも笑顔を見せていたが、それは異常な緊張の微笑である。こうなると夫人の
高雅な鼻の形などは、それだけの凄味を呼ぶのであった。 新子は、夫人の姿を見た瞬....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
見る時には、ペンキ画ぐらいしかの値打しかない――しかし享保の昔にあっては、谷めて
高雅に思われるところの、油絵の金縁の額などと一緒に、物々しくかけられてあるのであ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
光沢ばんでいる。また唇にはいつも微かな笑いが湛えられていて、全身になんともいえぬ
高雅な感情が燃えているのだった。 それに反して石割苗太郎は、神経的な、まるで狐....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
納言家もその選に漏れず、聡明にして闊達であり、それが風貌にも現われていて鳳眼隆鼻
高雅であった。 でも今は
高雅のその顔に、苦悶の色があらわれていた。 「とにかく....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
も楽むことが出来るのである、最も生活と近接して居って最も家族的であって、然も清閑
高雅、所有方面の精神的修養に資せられるべきは言うを待たない、西洋などから頻りと新....
「朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
が出来上るのだと思います。 近頃の電車の中などでも、昔のように丸髷や文金などの
高雅な髪を結った人が少なくなりまして、馬糞をのせたような手つくねの束髪を余計に見....
「簡潔の美」より 著者:上村松園
能楽の幽微で
高雅な動作、その装束から来る色彩の動き、重なり、線の曲折、声曲から発する豪壮沈痛....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
美しい男に対する恋を知っていたのです。私は、こうした恋を為し得る、祖母の芸術的な
高雅な人柄に、今更のような懐しみを感じて昔の輝くような美貌を偲ばすに足る、均斉の....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
画と詩との鑑識家でもあった。彼女はフロオレンスふうのダンスを、傍人を瞠目せしめる
高雅さで踊った。会話はユーモアのみならず、光彩と機智にあふれて、充分にそのセンス....
「味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
理だ、などという者の後を断たないということは、まことに残念である。 品位好尚が
高雅であれば、つくられるところの料理も、すべての出で立ちも、おのずと品位備わり、....