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「髪長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

髪長の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
いく子さんに献ず 一 昔、大和《やまと》の国|葛城山《かつらぎやま》の麓に、髪長彦《かみながひこ》という若い木樵《きこり》が住んでいました。これは顔かたちが....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
取り調べを受けているのもあった。 半蔵らはかなりの時を待った。そのうちに、 「髪長、御一人。」 と乗り物のそばで起こる声を聞いた。駕籠で来た婦人はいくらかの....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
るがいい。従来、「出女、入り鉄砲」などと言われ、女の旅は関所関所で食い留められ、髪長、尼、比丘尼、髪切、少女などと一々その風俗を区別され、乳まで探られなければ通....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
におつくしになりました。 二 天皇は日向の諸県君という者の子に、髪長媛という、たいそうきりょうのよい娘があるとお聞きになりまして、それを御殿へお....
ソヴェト文壇の現状」より 著者:宮本百合子
奪から守り、農民が帰って来たとき、農村ソヴェトの組織を指導した。赤軍映画隊は、弁髪長い中国の農村プロレタリアートに、最初の文化の光、キノを見せた。医薬の補助を与....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
、水色の地に紅の焔を染めたる襲衣、黒漆に銀泥、鱗の帯、下締なし、裳をすらりと、黒髪長く、丈に余る。銀の靴をはき、帯腰に玉のごとく光輝く鉄杖をはさみ持てり。両手に....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
たような瞳とならずや。 と思い思う、まさしく、そこに、水底へ、意中の夫人が、黒髪長くかかって見ゆる。 見ようとすると、水が動く。いや、いや、我が心の動くため....
山吹」より 著者:泉鏡花
視る。はじめ投頭巾を被りたる間、おもて柔和なり。いま頭巾を脱いだる四角な額に、白髪長くすくすくとして面凄じ。) 画家 (薄色の中折帽、うすき外套を着たり。細面に....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
一般の村民に異なることなし。ただその異なるは外貌上、黒帽をいただき黒衣を着し、長髪長髯これのみ。しかして寺務の余間には、僧はその妻とともに、ほかの村民のごとく農....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、ただ一人、だだだっと駈け抜けて行った者がある。 高氏だった。 その手は、黒髪長き人を、横抱きにし、掌か紐か、ヒラと曳いていた色も、眼にとまらなかったほどで....
私本太平記」より 著者:吉川英治
小屋の地点も柵も三ヵ所わかれわかれに建っていた。内を覗いてみると昼もほの暗く、黒髪長やかな白い顔が何を打ち案じているか小机に倚っているのが、簾ごしに透いてみえる....
山の人生」より 著者:柳田国男
くに引出したり。久太夫|葛を用ゐて之を縛り、村里へ引出し、燈をとぼして之を見るに髪長く膝に垂れ、面相全く女に似て、その荒れたること絵にかける夜叉の如し。何を尋ね....