鬱血[語句情報] »
鬱血
「鬱血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬱血の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
というだけでその苗字は不明で、看板にも、片頬に石鹸の泡を塗りつけた紳士の顔と、【
鬱血《こり》もとります】という文句が記してあるだけで、それ以外には何も書いてない....
「苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
ら七円とった。後では大洋で二円と少しばかりの小銭が残っているばかりであったが俺は
鬱血を一時に切り開いた時のような晴々しさを覚えた。この北満の奥地で運命を試すこと....
「振動魔」より 著者:海野十三
布に相談してはいつになっても得られないような御馳走にありついたり、遇には独り身の
鬱血を払うために、町はずれの安待合の格子をくぐるに足るお小遣を彼からせしめたこと....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、脈管が一時|狭窄されて、それが心臓への注血を激減させたに相違ない。しかし、その
鬱血腫脹している脈管は、屍体の位置が異なったりするたびに、血胸血液が流動するので....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
害者の屍体には格闘、抵抗、苦悶等の形跡を認めず。
屍体頸部には絞縛したる褶痕と
鬱血、その他の索溝相交って纏繞せり、然れども気管喉頭部、及、頸動脈等も外部より損....
「探偵小説の正体」より 著者:夢野久作
、悽愴たる罪悪感……残忍な勝利感や、骨に喰い入る劣敗感なぞ……そんな毒悪な昂奮に
鬱血硬化させられ続けている吾々の精神の循環系統の或る一個所を、探偵小説というメス....
「生活の道より」より 著者:宮本百合子
近くなってからのことであるが、私は心臓が弱って氷嚢を胸に当てていないと、肺動脈の
鬱血で咳が出て苦しい状態にあった。 そういう或る日、塵くさい木造建物の二階の窓....
「地球要塞」より 著者:海野十三
て、外へ出た。そして、しばらくは、柔軟体操をつづけた。身体中の筋肉という筋肉が、
鬱血《うっけつ》に凝《こ》っていて、ぎちぎちと鳴るように感じた。 オルガ姫は、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
術のとき、腸をひっぱったりいろいろやるから、何だか腹の中がもめた感じで、毛細管が
鬱血してでもいるような腹もちのわるさであったわけです。この四五日おなかがしまって....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
あるべき道理である。その上俺は元来胃腸が非常に悪い。薬の内用に依って、胃腸粘膜の
鬱血を散じてその働きを佳良ならせるならば、一挙両得というべきである。その上俺は、....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
私は眠らせてもらいたいとたのんで、寝床の上に身を投げだした。 実際私は頭に
鬱血していて、そのために眠った。それは私の最後の眠り、この種の最後の眠りだった。....
「誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
を圧迫しても呼気を出さない。第二に、自絞の場合には、吸息時に行われるから、肺臓の
鬱血が劇烈ではないが、他絞の場合には呼息時に行われるから、肺臓の
鬱血が劇烈で、丁....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
あれは僕自身も僕を素焼の壺程度に解釈していた時分云ったことですよ。僕は実は大変な
鬱血漢でしたよ」 「割合いに刺戟的な方だと思うわ」 「ばあやのお喋りがはいらない....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
肺はきれいですね。しかしその後、血が出ないのですから、胃でもありませんよ。老人性
鬱血でしょう」 杉本医師はレントゲン写真の黒くなった部分を指し示しながら言う。....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
世代に、宿命づけられた、かよわい女、無智なる人の子、また、やりばない若さをもった
鬱血児たちではあるまいか。毒茸のあとには毒茸しか生らない。 こう観じて来れば。....