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「鬼才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鬼才の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いつも戦慄《せんりつ》を伝えずには置かない。わたしはスウィフトほど頭の好い一代の鬼才に生まれなかったことをひそかに幸福に思っている。 椎の葉 完全に....
山月記」より 著者:中島敦
のであることを、人々は知らなかった。勿論《もちろん》、曾ての郷党《きょうとう》の鬼才といわれた自分に、自尊心が無かったとは云《い》わない。しかし、それは臆病《お....
赤外線男」より 著者:海野十三
僕の予想を大いに力づけて呉れる効能はあった。 さて、最後のトリック――それには鬼才ダリア嬢も見事に引っ懸ってしまった。それはすこし下卑た話だ。けれども、あの便....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
ら上下に分けた胴切りです。 尚、最後に、大衆文芸ではない、変った例を、文壇の鬼才、横光利一君の作品、「名月」から取ろう。「名月」はそれ全体が既に石川五右衛門....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
な哲学者であり、ヴェルハーレン、ホイットマンは、一種の社会的志士であった。そして鬼才詩人ランボーは、僅《わず》かに三年間ほど文壇に居り、少数の立派な詩を書いた後....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
まで無罪を言い張りたいにきまってらアな。犯人は千代の兄、天鬼だぜ。彼こそは犯罪の鬼才にめぐまれ、血も涙もない強慾者だ。弟地伯を巧みに勘当した手際を見ても大胆不敵....
貞操問答」より 著者:菊池寛
歳以上と聞いていたのに、三十代に見える若々しさであった。 どことなく明治文壇の鬼才川上眉山の面影あり、近くはアドルフ・マンジュウの顔を、少し四角くしたような、....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
明したとするなら、臨機の商才しかも必ずしもワイセツではなく、このへんは大阪商人の鬼才たるところであるかも知れん。 ★ こんどの大阪旅行は苦....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
代随一、どのような微妙な事件でも、袋の中のものを探すようにやすやすと解く、一種の鬼才。 ただ、狷介なのが玉に傷。むッつり不機嫌は毎度の例だが、今晩のようすはい....
「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
江戸川乱歩兄から、こんど創作第一集を出すについて序文を寄せよとの事。わが探偵小説界の鬼才江戸川兄の創作集に、私が序文を書くなどということは、僭越でもあり恥かしくもあ....
支那の狸汁」より 著者:佐藤垢石
をすべて塞いでしまった。そして、座敷を改めて青年を厚くもてなし酒肴を勧めて、その鬼才なるを賞めあげた。 座が興に入ってきたところを見計らって、家僕がその家の猛....
大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
鬼才小出楢重が逝いてから早くも五年になろうとする。そうして今ここに彼の随筆集『大....
三国志」より 著者:吉川英治
、中肉の美少年ではあり、しかも学舎の教師も、里人も、「恐いようなお児だ」と、その鬼才に怖れた。 こんなこともあった。 少年の曹操は、学問など一を聞いて十を知....
三国志」より 著者:吉川英治
あるまい」 許攸はまた笑って、 「むべなる哉。世間の人が、曹操は奸雄で、悪賢い鬼才であるなどと、よく噂にもいうが、なるほど、当らずといえども遠からずだ。あなた....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
、それが依然として赤いのをみて非常に憤慨して帰って来た。とも角も、松平翁は一種の鬼才を持ったえら物であったのだろうと思われる。 さえぐさも古く玉屋も古い。玉屋....