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鬼胎
「鬼胎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬼胎の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少女地獄」より 著者:夢野久作
が、しかし、そうした妻の頭の作用《はたらき》に就いて私が内心|些《すく》なからず
鬼胎《おそれ》を抱《いだ》いていた事は事実であった。 だからこの時も姫草看護婦....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
に、あぶなかった。 幸子の姉で、山口県へ嫁入っている人があった。 春、葡萄状
鬼胎の手術を受けてから、ずっとよくなかった。最近容体の面白くない話があったところ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
母胎内に残っていたり、或は固まり合った毛髪と、歯だけしか残っていないような所謂、
鬼胎なるものが、時々発見されるのは、その胎児の夢が、何かの原因で停頓するか、又は....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
少し佳い位のものであるという酒店の挨拶を聞いて、もしや叱責の種子にはなるまいかと
鬼胎を抱くこと大方ならず、かつまた塩文※包みを手にするや否やそれでもって散々に源....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。
はてな、自分では磊落のつもりでも、自分の風采というやつが、この珍客に
鬼胎《きたい》を持たせたのだな。そうだろう、無理もないことだ。ただでさえ、あんま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
上方《かみがた》にかけて、最初から、道庵の西上を喜ばぬものがあり、お角の乗込みに
鬼胎《きたい》を抱いている一味があったのです。
幕末維新の前後は、名分から言え....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
れるなるべし。彼らは常にその良人に見捨てられては、忽《たちま》ち路頭に迷わんとの
鬼胎《おそれ》を懐《いだ》き、何でも噛《かじ》り付きて離れまじとは勉《つと》むる....
「春心」より 著者:田中貢太郎
人もこの室の中へ通さないようにしてもらいたいが」 あいての語気が強いので広栄は
鬼胎を抱いた。 「そ、それは、私が呼ばなければ、呼ばなければ、何人も来ませんから....