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「魅惑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

魅惑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
じでも、趣向は変えて、その迫り方は彼女に物《もの》の怪《け》がつき、われ知らずに魅惑の爪を相手の女に突き立てて行くように見える。若さを嫉妬《しっと》して、老いが....
深夜の市長」より 著者:海野十三
めて不稠密な点からいうと、沙漠の上に捨てられてある廃都にも似かよっていたが、その魅惑的であり神秘的であり多元的である点については、沙漠に埋れている廃都などとは比....
階段」より 著者:海野十三
った。僕はその場に崩れるようにへたばった。 其の夜、下宿にかえった僕が、悔恨と魅惑との間に懊悩の一夜をあかしたことは言うまでもない。翌日はたとえ先生との約束で....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
、蠱惑に充ちた美しいお照の肉体の游泳姿態を見せられて、いずれ物言わぬ眼に陶然たる魅惑の色を漂わしていたものである。 何故ならそのフィルムは故意か偶然か、高速度カメラで撮られていたのである。....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ことの出来ない事件の一部分があるのではないかと思うのですが、それは多分、此の種の魅惑に満ちた事件が発散する香気のようなものに過ぎないのでしょう。兎も角も、赤耀館....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
に、はッと目をあげると、そこにはいかにも暖室らしい感じのする肉色の丈夫な建物が、魅惑的な秘密を包んで二人の前に突立っていた。 3 扉を押して入ると、....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
年は心配ごとも忘れて、その美しい旋律の口笛に聞き惚れた。まるでローレライのように魅惑的な旋律だった、そして思わず彼も、「赤い苺の実」の歌詞を口笛に合わせて口吟ん....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
が月暈のようにほのめき出て、四囲の自然の風端の中に一|箇不自然な人工的の生々しい魅惑を掻き開かせた。と見る間に「三!」と叫んで小初は肉体を軽く浮び上らせ不思議な....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
斑黒点がコケティッシュな間隔で振り撒かれなければならなかった。 超現実に美しく魅惑的な金魚は、G氏が頭の中に描くところの夢の魚ではなかった。交媒を重ねるにつれ....
河明り」より 著者:岡本かの子
飛沫を散らして逆巻き亘っている。徒らな豪奢のうすら冷い触覚と、着物に対する甘美な魅惑とが引き浪のあとに残る潮の響鳴のように、私の女ごころを衝つ。 開かれた仕切....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
面影から逃れるためには現実のカテリイヌが早く出て来て呉れるか、もっと違った強力な魅惑が彼の注意を根こそぎ奪うかして呉れるのでなければならなかった。新吉は早くこの....
母と娘」より 著者:岡本かの子
間だ、自分の妻はどういう所が世界一だ、自分の作る物は一番よい、自分の村は世界一(魅惑的)だ、ひいてフランスは世界の楽園だ、自分等は世界一の幸福者だ、唯一つの不幸....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
がら亢奮したように絶えず身を動かして体中の金飾りを鳴らした。彼女は身をくねらせて魅惑的なしなをしながら大理石の彫刻のような顔の鼻柱に迫る両眼の生々しい輝きに時折....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
聖者伝に就き、こんなことを考えているうち、ふと気がつくと、富士と人間との間のその魅惑は、今度は私に取り憑いている。しまった、読むべからざるものを読んだ。けれども....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
抗して学問の独立、研究の自由を目標として創立した自由の学園であるという所に青年的魅惑を感じて憧れて入学したのである。丁度当時は、第一次欧洲戦争の影響で、デモクラ....