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魚見
「魚見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魚見の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
ざいます。むこうにかすんで見えるのが房総の山々でございます。あれが伊豆山。あれが
魚見崎。あれが真鶴崎。」 「あれはなんです。あのけむりの立っている島は。」私は海....
「源おじ」より 著者:国木田独歩
せて、といきつくづくいろいろの物語して聞かしぬ。そなたは鱶《ふか》ちょう恐ろしき
魚見しことなからんなど七ツ八ツの児に語るがごとし。ややありて。 「母親恋しくは思....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
|遥ならんと思わせる。けれども、わずかに一町ばかり、はやく絶崖の端へ出て、ここを
魚見岬とも言おう。町も海も一目に見渡さる、と、急に左へ折曲って、また石段が一個処....
「変災序記」より 著者:田中貢太郎
がぐらぐらと動いて今にも落ちて来そうに見えたが、その男はやめなかった。 「熱海の
魚見岬で、子供が草履を落したので、それが惜しくて、岩の上から覗いていて、すべり落....
「箱根熱海バス紀行」より 著者:寺田寅彦
の宿屋で四、五日滞在した後に、山駕籠を連ねて三島へ越えた。熱海滞在中漁船に乗って
魚見崎の辺で魚を釣っていたら大きな海鰻がかかったこと、これを船上で煮て食わされた....
「山上湖」より 著者:豊島与志雄
のわきに、高い木梯子が、櫓のように立っている。添木でとめて地面に定着さしてある。
魚見の櫓だ。ここは姫鱒の人工養殖所で、孵化した稚魚を湖水に放流すれば、育った親鱒....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
き火事がはじまったのである。 火事はすぐ近いが、石川淳はそれには見向きもせず、
魚見崎へ散歩に行った。菅原が罹災者の荷物を運んでやろうとすると、 「コレ、コレ。....
「吊籠と月光と」より 著者:牧野信一
とが出来る幸運に俺は廻《めぐ》り合ったんだ。」 ――魚場の納屋《なや》の屋根に
魚見櫓《うおみやぐら》というものがある。舟を持たない七郎丸は久しい前からこの展望....
「赤い花」より 著者:田中貢太郎
、さ、さ、と云う音をさしていた。 彼は沙の上に引きあげられた漁船の間を潜って、
魚見岬の方角のほうへ歩いて往ったが、何時の間にか倦いて来たので引っかえしていると....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
日さっそくその陣所を兵庫(現・神戸市)へすすめた。――港にちかい逆瀬川の川ぐち、
魚見堂を本営地として、ここに敗軍の再編成と再挙反撃の床几をさだめたものだった。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
てまた、尊氏の営は、さきの宝満寺を引きはらって、はやくも、逆瀬川の川尻のひがし、
魚見堂へ、その本営を移したということでもある。 そこはいま、無事平穏なこと、颱....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
饗庭氏直は、彼のむねをおびて、直義のいる八幡へ馬をとばして行った。あとの尊氏は、
魚見堂で眠りについた。 なぜか、この
魚見堂で眠るときは、いつも彼の運命は巌頭に....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
るのは、尊氏が正成の首を実検したのち、その遺骸をねんごろに供養させて、供養料に、
魚見堂附近の田地五十丁を僧所(真光寺か)へ寄附していることだ。 このことは、尊....