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鮭
「鮭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鮭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
い?」
そこへ僕等の興奮とは全然つり合わない顔をした、頭の白い給仕が一人、静に
鮭《さけ》の皿を運んで来た。……
(大正十五年四月十日)....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
のは二人の間に浮かない世間話が始まってから、ふと泰さんが気がつくと、燻《いぶ》し
鮭《さけ》の小皿と一しょに、新蔵の膳に載って居るコップがもう泡の消えた黒麦酒をな....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
のこもる霜枯れの防風林には烏《からす》もいなかった。荒れ果てた畑に見切りをつけて
鮭《さけ》の漁場にでも移って行ってしまったのだろう。
昼少しまわった頃仁右衛門....
「星座」より 著者:有島武郎
な溺愛《できあい》を送っていた。その母が清逸に対しての態度は知れている。
「もう
鮭はたくさん上《のぼ》ってきだしたのか」
清逸はたまりかねて純次にこう尋ねてみ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
るだけになすって下さいよ、お肴は?」 「肴は己が盤台にあら。竹の皮に包んでな、斑
鮭の鎌ン処があるから、そいつを焼いて持って来ねえ。蔦ちゃんが好だったんだが、この....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。せっかくの晴彦の誕生日も、これでは魚を祝ってやれない。そこでこの前買っておいた
鮭缶をあける。白い御飯とごぼうとにんじんの精進揚げに、英の心づくしこもる。皆うま....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
手も背もかしたであろう。――判官にあこがるる、静の霊を、幻に感じた。 「あれは、
鮭かい。」 すれ違って一人、溌剌たる大魚を提げて駈通ったものがある。 「鱒だ、....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
にやりと笑った。 「それみろ、いくら優勢海軍でも、二分されては、一匹の鮫が二匹の
鮭になったようなもので、まるでおとなしいものさ。そこを狙って、こっちは爆弾と砲弾....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
に初対面の挨拶をしてから、ざっと十年ばかりの間可也親密につき合っていた。滝田君に
鮭鮓の御馳走になり、烈しい胃痙攣を起したこともある。又雲坪を論じ合った後、蘭竹を....
「多神教」より 著者:泉鏡花
猿の面を被り、水干烏帽子、事触に似たる態にて――大根、牛蒡、太人参、大蕪。棒鱈乾
鮭堆く、片荷に酒樽を積みたる蘆毛の駒の、紫なる古手綱を曳いて出づ)きゃッ、きゃッ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
しかも夕暮が軒に近い。窓下の襖際で膳の上の銚子もなしに――もう時節で、塩のふいた
鮭の切身を、鱧の肌の白さにはかなみつつ、辻三が…… というものは、ついその三四....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
愛吉は痩せたのを高胡坐に組んで開き直る。 「震えるない震えるない、何もそう、
鮭の天窓を刻むようにぶりぶりするこたあねえ、なぐり込に来たのなら、襷がけで顱巻よ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
なのが抜衣紋になって、路地口の肴屋で、自分の見立てで、その鮪を刺身に、と誂え、塩
鮭の切身を竹の皮でぶら下げてくれた厚情を仇にしては済まないが、ひどい目に逢ったの....
「迷信解」より 著者:井上円了
には、平家蟹の殻へ目口をえがきたるものあり、草鞋の片足を釘づけにしたるもあり、塩
鮭の頭を藁縄にて貫きてつるせるもあり、そのなんの意たるや解するに苦しむことが多い....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
やそうとしても、痿えないでしよう。やや暫くかかって漸く抄い上げて見ると、大きな塩
鮭程なのでしょう。私が急いで雑巾を取るか取らないに、(顎の骨にて手を傷つけらるる....