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鰐
「鰐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鰐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
うし》の金がさみしそうに光っていた。縁には烏《からす》の糞《ふん》が白く見えて、
鰐口《わにぐち》のほつれた紅白のひものもう色がさめたのにぶらりと長くさがったのが....
「或る女」より 著者:有島武郎
その室《へや》を出ると、倉地は窓の所に寄って行って、衣嚢《かくし》の中から大きな
鰐皮《わにがわ》のポケットブックを取り出して、拾円札のかなりの束を引き出した。葉....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
た、これがさ、後《のち》に聞くと女夫滝《めおとだき》と言うそうで。
真中にまず
鰐鮫《わにざめ》が口をあいたような先のとがった黒い大巌《おおいわ》が突出《つきで....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
い内に、あの憎らしい黒ん坊の王は、わたしをアフリカへつれて行ってしまう。 獅子や
鰐のいるアフリカへ、(そこの芝の上に坐りながら)わたしはいつまでもこの城にいたい....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ルを発射するな、弾丸を人様に命中させるなと強意見を加えても、それは蛙の面に小便、
鰐の面に水のたぐいであって、とても義弟の行状を改めさせる効力のないことは、それを....
「火星探険」より 著者:海野十三
はいうに及ばず、鶏や家鴨《あひる》などの鳥類や、それから気味のわるい蛇《へび》や
鰐《わに》や蜥蜴《とかげ》などの爬蟲類《はちゅうるい》を入れた網付の檻もあった。....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、緑宝玉、三百顆、孔雀の尾の渦巻の数に合せ、紫の瑠璃の台、五色に透いて輝きまする
鰐の皮三十六枚、沙金の包七十|袋。量目約百万両。閻浮檀金十斤也。緞子、縮緬、綾、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、洋装の女の上に釘づけになっていた。
やがて、その洋装の女は、中で一番りっぱな
鰐革のハンドバッグを買った。その時かの女は、抱えていた白い蛇の革のハンドバッグの....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。その時ぴかり! 眼もくらむような一大閃光! 途端に二人の転がっている甲板が、
鰐の背中のように震えだしたと思った刹那、が、が、がーんと百雷が一時に落ちたような....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
三十丈の玉塔に、かの玉をこめ置、香花を備え、守護神は八竜|並居たり、その外悪魚|
鰐の口、遁れがたしや我命、さすが恩愛の故郷のかたぞ恋しき、あの浪のあなたにぞ……....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、敷石の上へ、蹌踉々々。 口を開いて、唇赤く、パッと蝋の火を吸った形の、正面の
鰐口の下へ、髯のもじゃもじゃと生えた蒼い顔を出したのは、頬のこけた男であった。 ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ちゃ帰り、行っちゃ帰り、ちょうど二十日の間、三七二十一日目の朝、念が届いてお宮の
鰐口に縋りさえすれば、命の綱は繋げるんだけれども、婆に邪魔をされてこの坂が登れな....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
すらしい。 見られよ、されば、全舞台に、虫一つ、塵も置かず、世の創の生物に似た
鰐口も、その明星に影を重ねて、一顆の一碧玉を鏤めたようなのが、棟裏に凝って紫の色....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
悩み、白芥子の一重の散らむず風情。…… むかし義経卿をはじめ、十三人の山伏の、
鰐の口の安宅をのがれ、倶利伽羅の竜の背を越えて、四十八瀬に日を数えつつ、直江の津....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
洒な洋装をした貴婦人の二人や三人に必ず邂逅ったもんだ。ダアクの操り人形然と妙な内
鰐の足どりでシャナリシャナリと蓮歩を運ぶものもあったが、中には今よりもハイカラな....