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「鳥居峠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳥居峠の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
を正当な稼業とさえ心得るようになった。 彼は、いつとなしに信濃から木曾へかかる鳥居峠《とりいとうげ》に土着した。そして昼は茶店を開き、夜は強盗を働いた。 彼....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
う方が手っ取り早く行旅の情を催させる。 ここは弥次郎兵衛、喜多八が、とぼとぼと鳥居峠を越すと、日も西の山の端に傾きければ、両側の旅籠屋より、女ども立ち出でて、....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
て、余った肋骨は、鬼の爪楊子になりよるわい」 と、一人が言えば、 「おのれは、鳥居峠の天狗にさらわれて、天狗の朝めしの菜になりよるわい」 と、直ぐに言い返し....
単独行」より 著者:加藤文太郎
に迷ったが、無事青木湯へ着いたのは午後五時であった。一浴して六時にここを出発し、鳥居峠に登り一気に発電所のあるところへ下り、河原をドンドン進んで八時三十分、やっ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
蔵がもう一度関所の方を振り返った時は、いかにすべてが形式的であるかをそこに見た。鳥居峠はこの関所から宮の越、藪原二宿を越したところにある。風は冷たくても、日はか....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ある木曾十一宿の位置は、江戸と京都のおよそ中央のところにあたる。くわしく言えば、鳥居峠あたりをその実際の中央にして、それから十五里あまり西寄りのところに馬籠の宿....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
村々の併合もそこここに行なわれていた。その後の山林事件の成り行きも心にかかって、鳥居峠まで行った時、彼はあの御嶽遙拝所の立つ峠の上の高い位置から木曾谷の方を振り....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
から本山へ出、本山から新川奈良井へ出て、奈良井から藪原へ参りまするには、此の間に鳥居峠がございます。其の日は洗馬に泊りまして、翌朝宿を立って、お繼が柄杓を持って....
剣侠」より 著者:国枝史郎
のである。 二人は翌日山形屋を立って、旅駕籠に身を乗せて、福島さして歩ませた。鳥居峠へ差しかかった。 ここは有名な古戦場で、かつ風景絶佳の地で、芭蕉翁なども....
」より 著者:岡本綺堂
すっかり春めいていた。 その春風に吹かれながら、江戸へむかう旅人上下三人が今や鳥居峠をくだって、三軒屋の立場に休んでいた。かれらは江戸の四谷|忍町の質屋渡世、....
香熊」より 著者:佐藤垢石
山村は、上州と信州との国境に近く、東北に八千尺の白根火山が聳え、西に吾妻山、南に鳥居峠を挟んで浅間山が蟠踞している山また山の辺境だ。 さらに、その奥の渓に干俣....
自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
いるのでございます。すでに皆様も御承知のことと存じますが、直ぐこの北にある、あの鳥居峠の南北両側において、北には平沢という漆器の製造部落があり、南側には藪原とい....