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鳥目
「鳥目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳥目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
求馬は甚太夫とは別々に、毎日府内をさまよって歩いた。物慣れた甚太夫は破れ扇に
鳥目《ちょうもく》を貰いながら、根気よく盛り場を窺《うかが》いまわって、さらに倦....
「入れ札」より 著者:菊池寛
ので、すっかりにぎりめしにしてもらうことにしました。 忠次 そいつはありがたい。
鳥目《ちょうもく》を十分に置いてやれよ。 吉蔵 かしこまりました。 (吉蔵かけ....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
り添うて、腰をかけた。 彼らは、ここで小半刻も、峠を登り切った疲れを休めると、
鳥目《ちょうもく》を置いて、紫に暮れかかっている小木曾《おぎそ》の谷に向って、鳥....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の師匠にゃあ珍らしいじゃありませんか」 「めずらしい方だな。奉行所へ呼び出して、
鳥目五貫文の御褒美でもやるか」と、半七は笑った。 「師匠はまあそれとして、さてそ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
って、箪笥の傍なる暗い隅へ、横ざまに片膝つくと、忙しく、しかし、殆んど無意識に、
鳥目を。 早く去ってもらいたさの、女房は自分も急いで、表の縁へするすると出て、....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
月から八月の末時分まで。その牡丹だの、芍薬だの、結構な花が取れますから、たんとお
鳥目が頂けます。まあ、どんなに綺麗でございましょう。 そして貴方、お望の草をお....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、多少|色艶っぽいその柏屋へと極めたので。 さて、亭主の口と盆の上へ、若干かお
鳥目をはずんで、小宮山は紺飛白の単衣、白縮緬の兵児帯、麦藁帽子、脚絆、草鞋という....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
のような処に観世物の小屋がけになって、やっぱり紅白粉をつけましたのが、三味線でお
鳥目を受けるのでござります、それよりは旦那様、前方に行って御覧じゃりまし、川原に....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
って手柄そうにここに並べて置くものは、こりゃ何だい! 私に言わせると吝さ、端のお
鳥目でざら幾干でもあるもんだ。金剛石だって、高々人間が大事がって秘っておくもんだ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
に劇化されている。今日しばしば繰り返される大口の寮の場の如きは、たとい寺西閑心や
鳥目の一角の焼き直しであろうとも、講談以外の創作であることを認めなければならない....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
なされてくださいまし」 「容易いことです、進ぜましょう」麟太郎は袂へ手を入れたが
鳥目などは一文もない。まして家の内を探したところで金のありよう筈がない。彼は当惑....
「日置流系図」より 著者:国枝史郎
度は忠蔵は言葉もなく云われた矢を取って差し出した。と老武士は小手を振ったがこれは
鳥目を投げたので、投げたその手で二品を掴むとクルリと老武士は方向を変え、そのスー....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
と女の猿廻しが、お長屋で猿を廻していた。あんまりその様子が可愛かったので、多分の
鳥目を猿廻しにくれた。これが縁の始まりで、その後しばしば女猿廻しとお八重は、あち....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
め、声を知ってまさ、かねてお気にゃあ入らなかったと見えて、 (ああ、弾くがね、お
鳥目をおくれ。) (何を!) (私の新内はばら銭じゃあ聞かせないんだよ。)ッて言....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の肌着がぐっしょりと汗にぬれているのに気がついた。 中幕は左団次の出しもので「
鳥目の上使」であったが、その二番目代りに上演された「お染久松」の質店は面白かった....