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「鳴す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳴すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
いる牛馬をも傷《きずつ》けたり虐《いじ》めたりするらしかった。彼はそう云う不平を鳴す間も、時々相手を睨《にら》みつけて、 「逃げるなよ。今に返報をしてやるから。....
或る女」より 著者:有島武郎
行った。同じ胎《はら》を借りてこの世に生まれ出た二人《ふたり》の胸には、ひたと共鳴する不思議な響きが潜んでいた。葉子は吸い取られるようにその響きに心を集めていた....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
と聞くと、非常に突飛に思われる帆村の宇宙戦争の警告が、山岸中尉と竜造寺兵曹長の共鳴するところとなったのは帆村にとって、たしかに気持のいいことだった。 それに児....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
いて帰りたいのでございます。」 「お蝋を持って行くであすか。ふうむ、」と大く鼻を鳴す。 「それも、一度お供えになりました、燃えさしが願いたいのでございまして。」....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ようだ。簇だよ、張物に使う。……押を強く張る事経師屋以上でね。着想に、文章に、共鳴するとか何とか唱えて、この男ばかりが、ちょいちょい、中洲の月村へ出向くのさ。隅....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
のごとく、「琵琶。」と一声、鸚鵡を呼べり。琵琶とは蓋し鸚鵡の名ならむ。低く口笛を鳴すとひとしく、 「ツウチャン、ツウチャン。」 と叫べる声、奥深きこの書斎を徹....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
のと、ただその一つさえ祭の太鼓は賑うべき処に、繁昌が合奏を演るのであるから、鉦は鳴す、笛は吹く、続いて踊らずにはいられない。 何年めかに一度という書入れ日がま....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
を思ってそう言って上げるんだがね。とにかく、まあ出来るだけ速く卵を生む事や、喉を鳴す事を覚える様におし。」 「いや、僕はもうどうしてもまた外の世界に出なくちゃい....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
を贈らる。地下の枯骨、茲に聖恩に沽へる也。 二 筑波登山 路傍の草中に、蛙の悲鳴するを聞く。蛇が蛙を呑み居るならん。助けてやれとて、石をなぐれば、蛙をくはへた....
靄の彼方」より 著者:上村松園
になって、表現が巧みになっていることは争えません。けれども、教えられることと、共鳴することとは違うと思います。共鳴する作品というものは、なかなかないものです。共....
三枚続」より 著者:泉鏡花
に森として、土塀の屋根、樹の蔭などには、二ツ三ツ蚊の声が聞えた。 されば敷石を鳴す穿物に音立てて、五ツ紋の青年はつかつかとその格子戸の前。 ちょうどここへ立....
大叫喚」より 著者:岩村透
等の姿は、決して人の眼に映らないが、何処からともなく、嫌な声で、多くの人々の、悲鳴するような叫喚が、山に反響して雑然と如何にも物凄く聞えてくるので、乗客は恐ろし....
迷信解」より 著者:井上円了
最も評判の高きものは狸の腹鼓であるが、そのことは前に述べておいた。また、老木が怒鳴するということを聞いておるが、これは多く樹木の体内に空洞ありて、これに梟のごと....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
閑人のノンキな空談を容れる余地はなかったろうが、応酬に巧みな政客の常で誰にでも共鳴するかのように調子を合わせるから、イイ気になって知己を得たツモリで愚談を聴いて....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
、名前さえ云わない、その未知の婦人を応接室に通させた。 「お茶だけでいい。ベルを鳴すまで、――来ちゃいけないよ」と我知らず、きつく云って、陽子は胸をドキドキさせ....