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「鳴戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳴戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
てて藻《も》に潜《もぐ》るとも、起つ波に身を攫《さらわ》るる憂《うれい》はない。鳴戸《なると》を抜ける鯛《たい》の骨は潮に揉《も》まれて年々《としどし》に硬くな....
佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」より 著者:高村光雲
をつけ、なにかおもしろい趣向にして見せる。この前笑覧会というものがあって、阿波の鳴戸のお弓の涙だなんて壜に入れたものを見せるなどは気が利かない。もっと、面白いこ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
風祭をする。麦桑に雹を気づかった農家は、稲に風を気づかわねばならぬ。九月は農家の鳴戸の瀬戸だ。瀬戸を過ぐれば秋の彼岸。蚊帳を仕舞う。おかみや娘の夜延仕事が忙しく....
謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
がない。部分は部分において一になり、全体は全体において一とならんとする大渦小渦|鳴戸のそれも啻ならぬ波瀾の最中に我らは立っているのである。この大回転大|軋轢は無....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ている。髪はちぢれた耳かくし。おお暑い、暑いだ。水車の音が耳に来る。洗いざらした鳴戸ちぢみの飛白《かすり》。袂《たもと》はよれよれでござんす。帯は赤と白のナッセ....
難船小僧」より 著者:夢野久作
門司を抜けて神戸に着いた。それから船長一流の冒険だが六時間の航程を節約るために、鳴戸の瀬戸の渦巻を七千|噸の巨体で一気に突切って、御本尊のS・O・S・BOYを慄....
青衣童女像」より 著者:寺田寅彦
からくり」がまだ幅をきかせていた時代である。小栗判官、頼光の大江山鬼退治、阿波の鳴戸、三荘太夫の鋸引き、そういったようなものの陰惨にグロテスクな映画がおびえた空....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
なので四方の村立つ雲がフワフワと浮かれて来て月の光をかくす夜半なのでまた、阿波の鳴戸のしらせで満汐引く汐が早いのでまして御着物も波と同じに白いのでさがしてもさが....
古典竜頭蛇尾」より 著者:太宰治
るかな、まごついてしまった。いやらしい、いやらしい、感想の感想の、感想の感想が、鳴戸の渦のようにあとからあとから湧いて出て、そこら一ぱいにはんらんし、手のつけよ....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
多いのは言うまでもないが、川には鮎がたくさんいるし、池には鯉がいくらでも育つし、鳴戸蜜柑は枝が折れるほど実るし……。」 中途で、彼自身、話の空疎なばかばかしさ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
因縁を附け、何かおもしろい趣向にして見せる。この前笑覧会というものがあって阿波の鳴戸のお弓の涙だなんて壜に水を入れたものを見せるなどは気が利かない。もっと、面白....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
。県の名もこれにもとづきます。もと蜂須賀氏の城下町でありました。あるいは「阿波の鳴戸」で人々はもっと記憶するかも知れません。または撫養の有名な凧上でこの国を想い....