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鴨
「鴨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鴨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
、薄氷が残っている。枯蘆《かれあし》の根にはすすけた泡《あぶく》がかたまって、家
鴨《あひる》の死んだのがその中にぶっくり浮んでいた。どんよりと濁った沼の水には青....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
の音《ね》のぬるむ昼すぎを、紅芙蓉《べにふよう》の花になげきながら、気のよわい家
鴨《あひる》の羽にみだされて、人けのない廚《くりや》の下を静かに光りながら流れる....
「死後」より 著者:芥川竜之介
はじっとしてはいられない気になり、あとも見ずに書斎へはいって行った。すると書斎の
鴨居《かもい》の上に鳶口《とびぐち》が一梃《いっちょう》かかっていた。鳶口は柄《....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
《つた》が絡《から》んでいるし、庭には草が茂っている。その中に鶏《にわとり》や家
鴨《あひる》などが、客の来たのを珍しそうに眺めているという始末ですから、さすがの....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
たら、今夜でもためして御覧なさい。同じ市内の電車でも、動坂線《どうざかせん》と巣
鴨線《すがもせん》と、この二つが多いそうですが、つい四五日前の晩も、私の乗った赤....
「星座」より 著者:有島武郎
に書物包みをくるみ始めた。森村は見向きもせずに前どおりな無表情な顔を眼の前の窓の
鴨居《かもい》あたりに向けたままで、
「これからまたどこかに行くんか」
とぼん....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
こでイルマタールは嵐に煽られて七〇〇年の間波の上を浮び歩いている。そこへ一羽の野
鴨が波の上を飛んできてどこかへ巣を作ろうとして場所を捜す。イルマタールが水中から....
「海異記」より 著者:泉鏡花
寒く、一条路にも蔭日向で、房州も西向の、館山北条とは事かわり、その裏側なる前原、
鴨川、古川、白子、忽戸など、就中、船幽霊の千倉が沖、江見和田などの海岸は、風に向....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
一切猟具を用いず、むずと羽掻をしめて、年紀は娘にしていい、甘温、脆膏、胸白のこの
鴨を貪食した果報ものである、と聞く。が、いささか果報焼けの気味で内臓を損じた。勤....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。人気がまるで無くて、全く深い林の中みたいです。この工合のいい隠れ場に一|羽の家
鴨がその時巣について卵がかえるのを守っていました。けれども、もうだいぶ時間が経っ....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
大町先生に最後にお目にかゝったのは、大正十三年の正月に、小杉未醒、神代種亮、石川寅吉の諸君と品川沖へ
鴨猟に往った時である。何でも朝早く本所の一ノ橋の側の船宿に落合い、そこから発動機....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
事ありしが、何時か久米の倨然たる一家の風格を感じたのを見ては、鶏は陸に米を啄み家
鴨は水に泥鰌を追うを悟り、寝静まりたる家家の向う「低き夢夢の畳める間に、晩くほの....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
一昨年の冬、香取秀真氏が手賀沼の
鴨を御馳走した時、其処に居合せた天岡均一氏が、初対面の小杉未醒氏に、「小杉君、君....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
めのように見えた。雪のように白い鵞鳥は堂々たる艦隊をなして、近くの池で遊弋し、家
鴨の船隊をまもっていた。七面鳥の連隊は庭で鳴きあるき、ほろほろ鳥は、その鳴き声に....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
裏手に当る河岸へ通っていた。その又向う河岸は掘割になり、そこに時々どこかの家の家
鴨なども泳いでいたものである。僕は中学へはいった後も或親戚を尋ねるために度々「富....