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鵠
「鵠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鵠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
に迫られたことであろう。
大川の流れを見るごとに、自分は、あの僧院の鐘の音と、
鵠《くぐい》の声とに暮れて行くイタリアの水の都――バルコンにさく薔薇《ばら》も百....
「死後」より 著者:芥川竜之介
「子供は?」と僕は坐るなり尋ねた。
「きのう伯母《おば》さんやおばあさんとみんな
鵠沼《くげぬま》へやりました。」
「おじいさんは?」
「おじいさんは銀行へいらし....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
一
或秋の午頃《ひるごろ》、僕は東京から遊びに来た大学生のK君と一しょに蜃気楼《しんきろう》を見に出かけて行った。
鵠沼《くげぬま》の海岸に蜃気楼の見えることは誰《たれ》でももう知っているであろう....
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
ています。 K君は、影は阿片のごときものだ、と言っていました。もし私の直感が正
鵠《せいこく》を射抜いていましたら、影がK君を奪ったのです。しかし私はその直感を....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
からその跳梁《ちょうりょう》に堪えられなくなったのだと批評された。しかしそれは正
鵠《せいこく》を得ていない。なぜなればそこにはただ方法と目的の場所との差違がある....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
伸び放題伸びた庭芝だの干上った古池だのを眺めながら。 (大正十五年十月二十六日・
鵠沼)....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
めにせんとする衝動若しくは本能を主張してこれを利己主義というのなら、その用語は正
鵠を失している。それは当然愛他主義愛己主義という言葉で書き改められなければならな....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
較をするには我々は余りに時代が近すぎる。そのために一〇〇年以前の世紀との比較に正
鵠を失する恐れがないとは言われないが、しかしともかくも自然界に関する吾人の知識が....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ばこの戦争によって人類は直ちに黄金世界を造るように考える人々が多いらしい。共に正
鵠を得ていない。最終戦争は近く必ず行なわれ、人類歴史の最大関節であるが、しかしそ....
「遊星植民説」より 著者:海野十三
ないわ。あら、あすこにネーム・プレートが下っている。まるで、エッフェル塔の天辺に
鵠が巣をかけたようね。では、下界で待っているあの人のために、第二にはロードスター....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
しみをもっている人達の中を探しまわったのだ。そして遂に私の仮定が、或る程度まで正
鵠を射ていることを確めた。しかしその上で、尚実際的証人を得る必要があったのだ。そ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
芸審査に就て兎角の議論をする人があるが政府は万能で無いから政府の行う処必ずしも正
鵠では無い。且文芸上の作品の価値は区々の秤尺に由て討議し、又選票の多寡に由て決す....
「水の女」より 著者:折口信夫
理錯誤の痕を残した。 湯河板挙の精霊の人格化らしい人名に、天湯河板挙があって、
鵠を逐いながら、御禊ぎの水門を多く発見したと言うている。地上の斎河を神聖視して、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
が歩む、 進み、躍り、飛ぶ、さあれただ押移る。 そこには無礙の混雑と不定の整調、
鵠の鳥の光明の胸毛――その断片。 見えざるちからはいつも断片を溺愛し、 恋ひ焦れ....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
ノデ、カノ本復スルカト思エバ全快スノ方ノ組デス、当所へ参リマス前、凡ソ半年ホドヲ
鵠沼ニ辛棒シテオリマシタガ、無論ドットネテイルトイウデハアリマセズ、ソレガカエッ....