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鹹水
「鹹水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鹹水の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ある。いや、この二つの快不快は全然|相容《あいい》れぬものではない。寧《むし》ろ
鹹水《かんすい》と淡水とのように、一つに融《と》け合《あ》っているものである。現....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
こと故、ただ一つ述べ置くは藻を青、緑、褐、紅と四色の類に分かつ、青緑褐の藻群には
鹹水に生ずるものも淡水に産するものも多いが紅藻の一群およそ二百属のうち淡水に産す....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
》すればやっぱり酸《す》っぱい湯に浸《つか》っているとよりほかに考えようがない。
鹹水《しおみず》にも溶《と》けるとか云って大連でくれた豆石鹸《まめシャボン》でも....
「新生」より 著者:島崎藤村
本は最早旅人であるばかりでなく同時に異人であった。あの島国の方に引込んで海の魚が
鹹水《しおみず》の中でも泳いでいれば可《い》いような無意識な気楽さをもって東京の....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
さんご》島で、鹹気《しおけ》のある水を飲んでいる。(高山渓流に富むサモアの人間は
鹹水に一番閉口する。)彼はどんな罪を犯したのか? サモアの古来の習慣に従って当然....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
て浜近く来るとあり。田辺浜の内の浦などいう処は近年まで鮫毎度谷鰹てふ魚を谷海とて
鹹水《かんすい》で満ちた細長き谷間へ追い込み漁利を与えた故今も鮫を神様、夷子《え....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
動き出しましたか?」 「そういうわけではありません……つまり、淡水《たんすい》と
鹹水《かんすい》との区別かも知れません。淡水は、線を以て描くに宜《よろ》しく、鹹....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、その魚を見つめました。といっても、米友はそう魚類に就いての知識を持っていない。
鹹水産《かんすいさん》と淡水産の区別ぐらいはわかるだろうが、琵琶の湖にはどういう....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
後には銚子口から利根川へ遡ってくるのである。それは八月下旬から九月上旬へかけて、
鹹水に別れ淡水に志して、かつてわが生まれた故郷へ旅するのである。 利根川は、佐....
「イギリス海岸」より 著者:宮沢賢治
ず》まったり、誰《だれ》も誰も見ていない所《ところ》でいろいろに変ったその巨きな
鹹水《かんすい》の継承者《けいしょうしゃ》は、今日は波にちらちら火を点じ、ぴたぴ....