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「麗しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

麗しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
いよ、夫人。」 四十一 早瀬は今更ながら、道子がその白襟の品好く麗しい姿を視めて、 「宵暗でも、貴女のその態じゃ恐しく目に立って、どんな事でまた....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、火焔はこの戦場を包囲するであろう。この世界的大火災の跡から、新しく、より善く、麗しい緑で覆われた地が出現するであろう。ただミーメの泉の傍のホッドミンネの神苑(....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
玉のなんともいえぬ美しい実が黒い茂り葉の間につづられてある。竜の髭の実は実に色が麗しい。たとえて言いようもない。あざやかに潤いがあるとでも言ったらよいか。藪から....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
よって宝石山の姿がくっきりと盛上り、保叔塔らしい影が、天を指していた。いつ見ても麗しい西湖の風景だった。 だが、いつ見ても変らぬ風景だったことが、漢于仁には物....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
。それなら、ちょいと伺ってみたい一条がある、とでもねじ込みたい。大尉どのの、あの麗しい奥様のことなんだ。あんな見事な麗人をお持ちでいて、『恋はすまじ』は、すさま....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
た列子のごとく風そのものに御しないのであるか。 美を友として世を送った人のみが麗しい往生をすることができる。大宗匠たちの臨終はその生涯と同様に絶妙都雅なもので....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
も成年期を前に幾分残っていなければならぬ、童心などは微塵も見られない。ことに、媚麗しい容色の階調を破壊しているのが、落着きのない眼と狭い額だった。法水は丁寧に椅....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
すぐ暗くなります。……ではどうぞ、お話をお続け下さい」 そういって帆村探偵は、麗しい年若の婦人客に丁寧な挨拶をした。 鼠色のオーバーの下から臙脂のドレスの短....
流線間諜」より 著者:海野十三
、そして美しかった。男よりも、どっちかというと若い女性が多かった。溌溂たる令嬢、麗しい若奥様、四、五人づれで喋ってゆく女学生、どこかで逢ったことのある女給、急ぎ....
」より 著者:池谷信三郎
口の廻りに。 ――そう? ――僕は窓を見ていると、あれが人間の感情を浪漫的にする麗しい象徴だと思うのです。 ――そう? ――今も人のうようよと吐きだされる会社の....
人造物語」より 著者:海野十三
の後に、「電波嬢」一名メリー・ウェルズなる人造人間を作るが、これが世にもまことに麗しい妙齢の婦人の相貌を備え、しかも機械力で二十人力の腕力があり、要所要所に六個....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
卒堵婆のあちこちに、燃えつつ曼珠沙華が咲残ったのであった。 婦は人間離れをして麗しい。 この時、久米の仙人を思出して、苦笑をしないものは、われらの中に多くは....
王さまの感心された話」より 著者:小川未明
ちばん上の姉さんは、やさしい、さびしい口数の少ない方で、そのつぎの妹は、まことに麗しい、目の大きいぱっちりとした方で、末の弟は快活な正直な少年でありました。 ....
希望」より 著者:小川未明
に近づくと、紫色ににおってみえるのでありました。 海は、一つの大きな、不思議な麗しい花輪であります。青年は、口笛を吹いて、刻々に変化してゆく、自然の惑わしい、....
手風琴」より 著者:小川未明
ばならないのだ。しかし、この若木は、無事にそれをしのいで、いくたびも春を迎えて、麗しい花を開くであろう、が、こう年をとった私は、はたして、もう一|度、その花が見....