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「麻上下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

麻上下の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
なると、また不吉《ふきつ》な前兆が、加わった。――十五日には、いつも越中守自身、麻上下《あさがみしも》に着換えてから、八幡大菩薩に、神酒《みき》を備えるのが慣例....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
す」 藤「誰が来たのだ」 と覗《のぞ》いて見ると、行儀霰《ぎょうぎあられ》の麻上下《あさがみしも》を着て居ります、中原岡右衞門《なかはらおかえもん》と云う物....
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
月|朔日にりよに酒井家の御用召があった。辰の下刻に親戚山本平作、桜井須磨右衛門が麻上下で附き添って、御用部屋に出た。家老河合小太郎に大目附が陪席して申渡をした。....
乱世」より 著者:菊池寛
ときに、銘々の妻子と水杯を掬み交わした。 幼年の主君万之助の乗った籠の後から、麻上下を付けて、白い鼻緒の草履を穿いて、とぼとぼと付き従うて行く彼らを、一藩の人....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ざいます。是れから物頭がまいりまして、段々|下話をいたし、權六は着慣れもいたさん麻上下を着て、紋附とは云え木綿もので、差図に任せお次まで罷り出で控えて居ります。....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
な。さてとよ……生肝を取って、壺に入れて、組屋敷の陪臣は、行水、嗽に、身を潔め、麻上下で、主人の邸へ持って行く。お傍医師が心得て、……これだけの薬だもの、念のた....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
縮緬の羽織を着た、八人の武士が警護したが、これお証拠の品物である。それから熨斗目麻上下、大小たばさんだ山岡|主計、お証拠お預かりの宰領である。白木柄の薙刀一振を....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
据え、思うまんまを振舞ってやろう」 さてその藤兵衛だがその日の扮装、黒の紋付に麻上下、おとなしやかに作ったが、懐中に呑んだは九寸五分、それとなく妻子に別れを告....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
《かつ》いだ鬢発奴《びんはつやっこ》の梵天帯《ぼんてんおび》。花笠《はながさ》に麻上下《あさがみしも》、馬に乗った法師武者《ほうしむしゃ》。踊屋台《おどりやたい....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
「いずれ後程。」 楽屋口の板廊下には、松の蔭に、松の蔭に、羽織、袴が、おお、麻上下も立交る。 舞台では間狂言の高声が、見物の笑いとともに板に響いた。 私....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
夕方に、稻垣小左衞門という粟田口國綱のお係りの役人が、年頭のお帰りがけと見えて、麻上下の上へどっしりとした脊割羽織を召し、細身の大小を差して、若党草履取をつれて....