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麻痺
「麻痺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麻痺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
を感じた。そうして、その目の中に、恐ろしい力があって、それが次第に自分の意志を、
麻痺《まひ》させようとするのを感じた。
「しかし、それは卑怯《ひきょう》だ。」
....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。道徳の与える損害は完全なる良心の
麻痺《まひ》である。
*
妄《みだり》に道徳に反するものは経済の念に乏....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れるようになり、そのために爾後約二〇世紀の間、現代の始まりまでも自然研究の衝動を
麻痺させるという甚だ有害な妄信を生ずるに至った。この教理はジュリアス・シーザーと....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
険である。 なお一般に激情的なカットを撮る場合に考慮すべきことは人間の感情には
麻痺性があるという心理的事実である。通例いわゆる甲らを経た俳優ほど感情を動かすこ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
せる。 私は表へ廻った。と、相変らずすごく落ちる。もう音響にも火の色にも神経が
麻痺して何ともない。屋根の上に何かが落ちて、どえらい音がした。焼夷弾ではなさそう....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
賀野が連れていた医師が入って来て、博士の容態《ようだい》について報告した。目下|
麻痺《まひ》症状がつづいている。その原因は不明である。しかし急変はないと思うから....
「海底都市」より 著者:海野十三
所に横たわっているという寸法だろう) それは果して麻薬であったか、それとも脳|
麻痺力《まひりょく》のある電波であったか、そのところは、はっきりしないが、何者か....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
すとは気がつかなかったろう」 碇が掌の中で壊した硝子のアンプルの中には、無臭の
麻痺瓦斯が入っていたのである。 「烏啼組じゃなきゃ見られない奇略ですね」 「なあ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
功しそうです。そして今わが国民をも彼等の思う色彩に塗りかえ、あらゆる進取的精神を
麻痺させるためにその用意に掛っています。本艇の冒険旅行の計画者であるZ提督が、は....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
ルが喧しくジジーンと鳴るであろう。梅野十伍はそのベルの音を聞いた瞬間に必ずや心臓
麻痺を起し、徹夜の机の上にぶったおれてあえなくなるに違いないと思っているのである....
「故郷」より 著者:井上紅梅
たしのように辛苦展転して生活することを望まない。また彼等の凡てが閏土のように辛苦
麻痺して生活することを望まない。また凡てが別人のように辛苦放埒して生活することを....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
和シナイノデアル。コレヲ調和シテイルト考エル人ガアレバ、ソレハ習慣ニヨツテ感覚ガ
麻痺シテイルニスギナイ。 トコロガカタカナノ場合ハソノ成立ノ歴史カライツテモ楷....
「暗号数字」より 著者:海野十三
くれた。間もなく栗山という刑事と、ほかに医師が一人、帆村を迎えにきた。 「これは
麻痺剤のせいですよ。誰かに一服盛られましたね。すぐ注射をうちましょう」 医師は....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
ころが、僕は東京に生れ、東京に育ち、東京に住んでゐる。だから、東京に対する神経は
麻痺し切つてゐるといつてもいゝ。従つて、東京の印象といふやうなことは、殆んど話す....
「一老人」より 著者:犬田卯
を乗り出して、まだ歌い踊っているような恰好の老人を見出した。 検死の結果、心臓
麻痺と診断された。娘から来た十何円の金は、そっくりそのまま枕頭の財布の中に入って....